令和元年度後期卒業式

    3月8日(日)10:00より「令和元年度岡山県立岡山操山高等学校通信制課程並びにNHK学園高等学校の卒業証書授与式」を挙行しました。新型コロナウイルス感染症への対応のため卒業式への参加は卒業生とその保護者及び教職員となりましたが、例年どおり感動の卒業式となりました。

    校長式辞

    梅の花が風に舞い、早春の息吹が感じられる今日の佳き日、多数の保護者・御家族の皆様方の御臨席をいただき、「令和元年度岡山県立岡山操山高等学校通信制課程」並びに「NHK学園高等学校」の「卒業証書授与式」を、このように厳粛に挙行できますことは誠に大きな喜びであり、教職員、在校生と共に、厚くお礼申し上げます。
    ただ今、卒業証書を授与いたしました岡山操山高等学校八十七名、NHK学園高等学校七名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
    今日の卒業に至るまで、皆さんは、自学自習を基本にレポートに取り組むとともに、日曜日には本校に登校し、スクーリングや試験を受けるなどの努力を積み重ねてこられました。その過程で得られたものは、単位の修得や高校卒業の資格だけではなく、一つのことをやり遂げたという達成感と成就感、そして自分自身への信頼、自信ではないかと思います。是非、この感慨を胸に、今日からまた新しい歩みを力強く始めてください。
    また、今日の御卒業は、皆さんの努力の賜物であることは当然ですが、同時に、皆さんを支え励ましてくださった保護者や御家族の皆様の限りない愛情の賜物でもあります。保護者、御家族をはじめ周囲の方々への感謝の気持ちを、どうぞ忘れないでください。
    さて、私から、卒業される皆さんに、一つだけはなむけの言葉を贈ります。
それは、おととしの九月に七十五歳でお亡くなりになった女優、樹木希林さんの「おごらず、他人と比べず、面白がって平気に生きればいい」という言葉です。
樹木希林さんは、全身が癌であることを公表しながらも,「万引き家族」など多くの映画、ドラマで活躍されました。私が小学生のときからたくさんのテレビドラマや映画、CM等に出演されており、今もたくさんのシーンが思い出されます。
希林さんは、先ほどの言葉どおり、いつも自然体で、それぞれの人生を演じていました。
    卒業後、新たなステージに立つ皆さんは、人の言動に心がいら立ち強いストレスを感じたり、つらい経験をしたりすることがあるかもしれません。そんな時には、人との比較ではなく、勉強や仕事、家庭、趣味など何でもよいので、自分が昨日より少しでも進歩したか否か、つまり「自分の進歩」や「自分の進化」に焦点を当てて過ごしてみてください。そして、心地よく自分の能力を生かしながら、人と気持ちを分け合い豊かに生きるための方法を見つけてください。私は、人との勝ち負けよりも、自分らしさを発揮して、日々できることをきちんとしていく大切さを希林さんの生き方から学びました。
    また、苦しいことがあっても、あなたの心の中の光を失わずに、自分を支えてくれている周囲の方々への感謝の気持ちを持って、未来に向けて少しずつ歩み続けてください。そして、あなたの生き方が誰かの「希望」になることを願っています。卒業生の皆さんの御健闘と御活躍を、心からお祈りいたします。
    卒業生の皆さんとの名残は尽きませんが、本校を巣立っていく皆さん一人一人の輝ける未来を期待し、式辞といたします。

令和二年三月八日
岡山県立岡山操山高等学校 校長 近藤 治