岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
086-272-1241
086-272-1721
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
文字サイズ

未来航路 課題研究発表会

2017年01月30日

H29.1.27(金)平成28年度「未来航路 課題研究発表会」校長挨拶
20160127校長挨拶

 皆さん、おはようございます。

 今朝も本当に寒かったですが、皆さん、風邪など引いていないでしょうか。
 さて、今日は丸一日、岡山市民会館をお借りし、「未来航路課題研究発表会」を開催します。
 最初に「全体発表」として、6つの研究分野を代表する6組と、SOZAN国際塾の1組合わせて計7組の発表があります。その後、今回初めての試みですが、本校と同じくSGHに指定され研究を進めている岡山城東高校3年生の小野さんに発表をしてもらいます。小野さん、どうぞよろしくお願いします。
 その後、東京大学の前副学長で東大大学院工学系研究科教授の北森武彦先生に「学問の魅力 -いつも心に憧れと豊かさを-」と題して御講演をいただきます。北森先生は、分析化学が御専門で、昨年、スウェーデン・ルンド大学から名誉博士号を授与された世界的に著名な研究者でいらっしゃいます。お忙しい中、もうこの会場に来ていただいており、光栄なことに7組全ての研究発表を聞いていただきます。先生からは、皆さんの未来に向けた指針となる素晴らしい御講演を頂けると思います。北森先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 午後からは、ポスターセッションが行われます。ポスターセッションでは、質疑応答の時間をとっていますので、是非積極的に質問してください。質疑応答を通して、発表する側も聞く側も、課題に対する理解が深まっていく。それが研究の醍醐味です。

 さて、研究発表に先立って、この「未来航路」は何のために行っているのか、私なりに整理をしておきたいと思います。
 今の時代は、将来の方向性が見えない時代だと言われています。
 社会が大きく変化していく中、確実に言えることは、先行き不透明な時代だからこそ、国内外の多様な人々と協力しながら、主体性を持って自分の人生や社会全体の未来を切り拓いていく力が重要になるということです。
 将来の予想が可能な社会では、たくさんの知識を覚え、正確に再生する力が評価されていましたが、もうそれだけでは通用しなくなっていくでしょう。また、英語や数学などの基礎的な学力に加え、世界のどこにいようと通用するジェネリックスキル(汎用的な能力や態度)を身に付けることが、急激なグローバル化に対応する上で必須になっていくと思います。
 このジェネリックスキルは、大きく分けて2つあると私は思っています。習得した様々な知識を組み合わせて活用する力「リテラシー」と、コミュニケーション能力やリーダーシップ、社会貢献の意識など、他者と協働しながら困難な課題を解決する力「コンピテンシー」です。
 これら「リテラシー」と「コンピテンシー」は、これからの社会で活躍するために、また、新たな価値を生み出す能力として、大学や企業等において重視されつつあります。現在、進行している高校教育改革や大学改革に加え、高校と大学をつなぐ思考力、判断力、表現力等をより重視した大学入試改革という三位一体の改革の流れも、この延長線上にあると言えます。
 このような共通認識のもとで、本校では、SGHを含む教育全体を通して、岡山と日本の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成を進めています。

 今日発表してもらう「未来航路」は、すでに大学等で取り入れられている課題研究(PBL:プロジェクト・ベースド・ラーニング)です。「プロジェクト」とは、プロジェクター(投影機)という言葉から伺えるように、「前に向かって投げる」という意味から派生しています。つまり、本校の「未来航路プロジェクト」はまさに、生徒一人一人を、目の前に広がる未知の世界に向かって、自ら身を投じることのできる「勇気ある航海者」に育て上げることを目的にしています。この「未来航路」は、学校で学んだ知識や技能を活用しながら、社会の諸課題に対峙し、仲間と協力しながら真剣に立ち向かう知的な冒険の時間です。それはこれから大学に進み学問を修める皆さんにとって、自分自身と向き合い、学ぶことや生きることの「意味」を問う貴重な経験となると私は思っています。
 学ぶことや生きることにどんな「意味」を与えるか、それは誰かに与えられるものではありません。その「意味」を、そして未来への航路を、是非自分自身で発見し、自分の力でたくましく進んでください。「未来航路」で頑張った皆さんには、それができる。私はそう信じています。
 今日の日を、私もすごく楽しみにしてきました。生きることは学ぶこと、そして社会に貢献すること。今日1日、みんなで素晴らしい時間をつくりましょう。

 最後に、今まで熱心に御指導いただきました岡山大学の先生方、ティーチングアシスタントの大学生・大学院生の皆さん、そして生徒を温かく見守っていただきました保護者の皆様にお礼を申し上げますとともに、生徒たちの成長のために日々頑張っている本校教職員に心から感謝し、挨拶とします。