岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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第68回 卒業式 校長式辞

2017年03月02日

式 辞

 梅の花が風に舞い、早春の息吹の感じられる今日のよき日、岡山県教育庁教育政策課長 狩屋幸司様、岡山操山高等学校同窓会長 大原利憲様、岡山操山中学校・高等学校PTA会長 伏見健一郎様をはじめ、多数の御来賓並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校第68回卒業式を、かくも厳粛に挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、感謝に堪えないところです。本校教職員、在校生と共に、厚く御礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
皆さんは、長い人生の中でもとりわけ貴重な青春の3年間を本校で過ごされ、百十余年に及ぶ歴史と伝統を体現する校庭の大樹に見守られ、学業や学校行事、部活動等にいそしみながら心と体を鍛えてこられました。本校で皆さんが続けてきた努力と培ってきた友情は、皆さんのこれからの人生の中でかけがえのない財産になると思います。卒業された後も、皆さんは「操山ファミリー」の一員であり、本校は、いつまでも皆さんの「心のふるさと」です。人は変われど、山青くそして水清きこの地に建つ母校は、皆さんのこれからの人生を見守っています。

 さて、私からはなむけの言葉として、卒業する皆さんに、二つの言葉を贈ります。

  一つめは、「人格」をこれからも磨いてほしいということです。

 本校は昨年度から文部科学省スーパーグローバルハイスクールの指定を受け、グローバル・リーダーの育成に取り組んでいます。
 「グローバル化」、あるいは「国際社会」という言葉には、明るく、華やかなものというイメージがありますが、実は、グローバル化の進展に伴い、貿易不均衡に基づく保護主義やナショナリズムの台頭、経済格差の一層の拡大、国境を越えた民族紛争や宗教対立さらに難民問題の激化、地球規模での環境問題の悪化など、一国だけでは解決が難しい諸問題が多数出現しています。こうした国際社会が抱える諸問題への理解を深め、解決するために、皆さんは、各教科等で身に付けた知識や技能を活用し、「未来航路プロジェクト」においてグローバルな視点から課題研究に取り組み、よりよい国際社会の在り方を考えてきました。
 世界の平和と人類の福祉の向上に貢献するための「正解」は一つではないということ、そして、何が最適解かも、自分で探求しない限り見つけ出すことができないということを、「未来航路」を通して皆さんはすでに学んできました。
 一人一人の力は限られています。他の人々の多様な意見に耳を傾け、共に考え、協力して課題の解決に取り組んでいくことが必要です。
そのためにも、他の人々が抱えている痛みや苦しみに思いを馳せ、それを理解しようと努める「共感」や「他者への愛」がその人の人間性の基盤になくてはいけない。私はそう思っています。人生の課題に直面し、それを克服できる唯一の人とは、そしてグローバルな課題を解決しようと努力を続けられるリーダーとは、他の人も利するような仕方で前進できる人です。ここ操山で多くの友人、先輩・後輩と磨き合った「人格」を、これからも高める努力を続けてください。

  二つめは、皆さんの学びを社会に還元してほしいということです。

 皆さんが進む大学では、英語等をツールとした他国の人々との対話、交流、コミュニケーションへの努力が不可欠なものとなっていくでしょう。そして、多様な文化を持つたくさんの人々との出会いが、人類の歴史や文化、自然等の多様性を知ることにつながり、主体的に学ぶことや考えることを加速化し、皆さんがより善く生きることへとつながっていくと思います。
 是非、チャレンジ精神を持って、自分の夢の実現に向けて努力を続けるとともに、現実の世界としっかりと向き合い、社会の仕組みや暮らしの有りようをよりよいものに作り替え、新しい時代にふさわしい文化の創造や人類全体の希望につながる道を切り拓くための「学び」を続けてください。そして、皆さんの「学び」を、社会に還元し、皆が人間としての尊厳を持って、豊かさや幸せを分かち合え、高め合えるような社会を自らの力で作り出してください。私は、本校で学んだ皆さんは、それができるリーダーだと思っています。また、それが、スーパーグローバルハイスクールとしての本校の願いであり、誇りでもあります。

 今日から皆さんの本当の「未来航路」が始まります。皆さんの素晴らしい航海を、教職員一同、心からお祈りしています。
 保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。栄えある卒業の日を迎えられたお子様の姿に、皆様の喜びもひとしおのことと拝察いたします。
 今日まで、保護者の皆様にはお子様のことで楽しいこと・嬉しいことがたくさんおありであったと思います。同時に、お子様のことで心を砕かれ、あるいは思い悩まれることも多々おありではなかったかと拝察します。しかし、保護者の皆様の豊かで細やかな愛情により、お子様はそれぞれ素直で、何事にも真摯に取り組むことのできる人間として成長されました。保護者の皆様の今日までの御努力に心から敬意を表したいと思います。
 また、今日に至るまで本校教育に対して変わらない御支援と御理解をいただきましたことに心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 結びに、御臨席を賜りました御来賓の皆様、保護者の皆様に、さらなる卒業生たちの成長の過程を、温かく見守っていただきますよう、心からお願い申し上げまして、式辞といたします。