岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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第69回卒業式 校長式辞

2018年03月07日

校長式辞

 柔らかな日差しの中に早春の息吹の感じられる今日の佳き日、岡山県教育庁高校教育課長 竹田義宣様、浜町内会長 渡邉唯志様、岡山操山高等学校同窓会長 大原利憲様、岡山操山中学校・高等学校PTA会長 近藤吉正様をはじめ、多数の御来賓並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校第69回卒業式を、かくも厳粛に挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、皆様に厚くお礼申し上げます。

 栄えある岡山操山高校の卒業生となられた皆さん、御卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

 皆さんは、人生の中でもとりわけ美しく命輝く青春の三年間を本校で過ごされ、百十八年に及ぶ歴史と伝統を体現する校庭の大樹に見守られ、学業や学校行事、部活動等にいそしみながら心と体を鍛えてこられました。本校が、文部科学省からスーパーグローバルハイスクールに指定された平成二十七年度に入学された皆さんは、まさに「「和して流れずの精神」で岡山と日本の未来を切り拓く将来のグローバル・リーダー」一期生であり、「未来航路」での課題研究やSOZAN国際塾での取組、さらに海外研修や校内外での海外の高校生との交流などで得た知識や経験は、本校を卒業し新たなステージで活躍する皆さんにとっての心強い羅針盤となるでしょう。

 また、学習や部活動、松柏祭などの学校行事を通して、皆さんが日々積み重ねた努力と培った友情は、これからの人生を豊かにしてくれるかけがえのない財産になると思います。

 卒業された後も、皆さんは「操山ファミリー」の一員であり、本校は、いつまでも皆さんの「心のふるさと」です。人は変われど、常磐のみどり照り映えるこの地に建つ母校は、これからも皆さんの人生を見守っています。

 さて、私から、卒業する皆さんに二つのはなむけの言葉を贈ります。

 一つめは、「これからも、世の中に貢献する人であってほしい」ということです。

 グローバル化が急速に進展する中、経済だけでなく、人、モノ、情報、自然環境など、あらゆる分野において世界は密接につながり、相互依存が高まっています。また、日本の人口が減少に転じる一方、地球全体の人口は増加の一途をたどっており、すでに多くの海外諸国がそうであるように、これからの日本ではたくさんの外国人が働き、逆に世界で活躍する日本人も増えていくでしょう。地球規模での流動化や相互依存が進展する時代においては、自分の利益や自国の利益だけを考え行動することは、地球をまるごと一つの単位として見るグローバリゼーションの視点からは、あまり意味をなさなくなると私は思います。

 また、グローバルな諸課題の解決策は、国や地域ごとに、政治情勢や経済状態はもちろん、歴史や文化・宗教などが異なるため、相互の違いを理解し認め合いながら、解決に向け努力していくことが求められていきます。

 社会全体の未来に貢献することを目標に、自己の利益のみにとらわれず、広い視野でものごとを考え、複雑な諸問題を乗り越えるための知恵を多くの人々と共に生み出す努力を続けられる人になってください。

 また、本校で培った、「良き市民のリーダー」であろうとする姿勢をこれからも大切にしてください。みんなのために頑張ったことは、必ず「幸せ」としてあなたに返ってきます。

 二つめは、「一生涯学び続け、成長を続けられる人であってほしい」ということです。

 二十一世紀に入り、二十世紀型の大量生産・大量消費システムから、IT(情報通信技術)やAI(人工知能)、ビッグデータなどを活用しながらグローバルに展開する、多様性と独創性を重視する知識経済社会システムへの移行が始まりました。産業構造や生活様式の変化のスピードがますます速くなり、未来が不確実なものになっていく中で、「自ら学ぶ力」がより大切になります。

 今、皆さんが目指している大学という場所は、自らが身に付けた知識や方法論を使って、学問における新たな課題、あるいは社会的な課題を自らで解決できる力を育てる場であり、まさに、「未来航路」で経験した「探究」をベースにした学びの場です。この「探究」活動は、社会に出てからも続きます。大切なことは、自分の生涯をかけて探究していく課題につながる深い「問い」、問題意識を持つことです。そのためにも、本校で身に付けた幅広い知識と深い教養を基盤に、これからも真摯に学び続けてください。

 「どうなるか」ではなく「どうするか」。

 自分はどんな「ミッション」を自らに課してどんな問題意識を持って生きていくのか。それに答えることが「学ぶことの意味」であり、時代に働きかけ、歴史の進歩に加わることだと私は思っています。あなた自身とそして社会全体の未来のために、頑張ってください。

 さあ、今日から皆さんの新たな「未来航路」が始まります。皆さんの素晴らしい航海を、教職員そして在校生一同、心からお祈りしています。

 保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。栄えある卒業の日を迎えられたお子様の姿に、皆様の喜びもひとしおのことと拝察いたします。

 今日まで、保護者の皆様にはお子様のことで楽しいこと、嬉しいことがたくさんおありであったと思います。同時に、お子様のことで心を砕かれ、あるいは思い悩まれることも多々おありではなかったかと拝察します。しかし、保護者の皆様の豊かで細やかな愛情により、お子様はそれぞれ素直で、何事にも真摯に取り組むことのできる人間として成長されました。保護者の皆様の今日までの御努力に心から敬意を表したいと思います。

 また、今日に至るまで本校教育に対して変わらない御支援と御理解をいただきましたことに心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 結びに、御臨席を賜りました御来賓の皆様、保護者の皆様に、さらなる卒業生たちの成長の過程を、温かく見守っていただきますよう、心からお願い申し上げまして、式辞といたします。

平成三十年三月二日

  岡山県立岡山操山高等学校

   校長 近藤 治