岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
086-272-1241
086-272-1721
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
文字サイズ

平成30年度 岡山県立岡山操山高等学校入学式 式辞

2018年04月10日

平成30年度 岡山県立岡山操山高等学校(全日制)入学式

式  辞

うららかな春の日差しが、希望に満ちた新たな門出を祝福しているような今日の佳き日、PTA会長 近藤吉正様をはじめPTA役員の皆様並びに多数の保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校 平成三十年度入学式を挙行できますことは、本校教職員にとりまして誠に大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。

ただいま入学を許可いたしました二百八十名の新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。本校は、明治三十三年開校の岡山県高等女学校及び大正十年開校の岡山県第二岡山中学校を母体とし、昭和二十四年に統合され岡山県立岡山操山高等学校となりました。創立以来約百二十年にわたり、幾多の有為な人材を世に送り出してきた県内屈指の伝統校です。平成二十七年度からは、文部科学省「スーパーグローバルハイスクール」の指定を受け、「『和して流れず』の精神で、岡山と日本の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成」を目指した研究を進めるなど、常に次の時代を見据えた特色ある教育活動に取り組んでいる気鋭の学校でもあります。
また、本校は、大学の研究者や大学院生の協力の下に課題研究を進める「未来航路プロジェクト」や、各教科の授業の中でグローバル・リーダーとしての資質・能力の向上を図る「GLOBAL STUDIES」などの取組を通して、より広い視野で物事を捉え、主体的に考えて行動し、様々な課題を自ら発見し解決することのできる人間の育成を目指しています。
このような本校独自の取組は、将来、国内外の多様な人々と協力しながら、「新たな価値」を創造し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となるための資質や能力の礎となるとともに、皆さんが高校三年生になってから本格実施される大学入試の抜本的な改革にも対応できる「確かな学力」の育成にもつながるものと確信しています。
さて、本校は、先ほど述べた旧制一女の「和して流れず」や旧制二中の「松柏の精神」などの理念を受け継ぎながら、知・徳・体の調和の取れた教育を実践しています。「和して流れず」とは、「人との和を大切にしながらも、周囲に流されずに自分の信念を持って生きる」ことを意味し、「松柏の精神」とは、「冬になっても緑の葉を失わない松や柏のように、優れた精神を持つ人は困難な状況の中にあってその真価が明らかになる」という、強く正しく生きることの大切さを表した言葉です。
これら岡山操山に脈々と流れている伝統の精神を受け継ぐ皆さんに対し、私は校長として次の二つのことを期待しています。
一つめは、「高い志」を常に心の中に抱き続ける操山生であることです。「高い志」とは、高校での学習を通して、自分自身の夢や高い理想の実現に向け努力を続けるとともに、その成果を社会のために積極的に生かしていくことです。そのためにも、毎日の生活や学習の積み重ねを大切にしてほしいと思います。
ただ、三年間の高校生活は順風満帆な日々ばかりではないでしょう。環境や人間関係も変化し、努力の成果がなかなか表れず挫折や焦燥感を感じたり、自信を失ったりすることもあるでしょう。夢や志が高ければ高いほど、乗り越えるべき壁も高くなります。しかし、厳しい冬を耐えてこそ光輝く春を迎えることができます。苦しくつらい時こそ、一歩前に踏み出すことで、大きく成長できるチャンスがつかめるのです。「高い志」を胸に秘め、困難な状況を自らの力で乗り越える強さを身に付けてください。
二つめは、集団の中でお互いの多様性を認め合うとともに、他者の痛みを感じ、自分がなすべきことを自ら考え行動できる「豊かな心」を持った操山生であることです。授業や部活動、松柏祭をはじめとする学校行事を通して、お互いが大きな可能性を秘めた素晴らしい存在であることに気付くとともに、信頼し合い、分かち合い、切磋琢磨しながら、有意義な高校生活を共に創り出してください。
同時に、自立した個人として、周囲に流されることなく、しっかりとした自分の信念や考え方を持って行動してください。
これからの時代を作るのはここにいる皆さんです。グローバル化の進行や国内人口の減少、AIの進歩など前例のない時代だからこそ、皆さんの可能性は無限に広がっています。「和して流れず」そして「松柏の精神」を胸に、自分の信念や考え方、そして覚悟を持って真摯に学び続け、未来をたくましく切り拓く力を身に付けていくことを期待しています。
保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。お子様は、貴重な青春の三年間を本校で学ばれることを決意され、本日入学されました。
お子様にとっては、本校でのこれからの三年間は、自分の人生の在り方を模索し、自分の責任において将来の道筋、「未来航路」を決める大切な時期になります。三年後にお子様がこの操山高校を飛び立つときは、同時に、お子様が一人の独立した人格として親元を離れ、社会の荒海に漕ぎ出すときでもあります。大人への階段を自力でのぼろうと頑張っているお子様の成長を信じ、見守っていただきたいと思います。
私たち教職員も、卒業までの期間に、お子様が自分の将来を具体的に思い描き、必要な資質や能力を伸ばすことができるよう、全力で御指導・御支援させていただきたいと思います。どうか、本校との連携を密にしていただくとともに、本校教育に対しまして、格別の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、御多忙の中、御臨席いただきましたPTA役員の皆様及び保護者の皆様方に改めて感謝申し上げまして、式辞といたします。

 平成三十年四月九日
岡山県立岡山操山高等学校
校長 近藤 治