岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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平成30年度一学期始業式 校長 あいさつ

2018年04月10日

皆さん、こんにちは。
新しい一年、平成30年度が始まりました。先ほどの岡山操山中学校の入学式では120名の新しい仲間を迎え、岡山操山高等学校の入学式では280名の新しい仲間が加わりました。皆さんには、新しくできた先輩や後輩、同じクラスとなった仲間やお世話になるたくさんの先生方との出会いを大切にして、気持ちも新たに今日から、学習や学校行事、部活動等に、思う存分に力を発揮することを期待しています。

さて、平成30年度の始まりに当たり、1つだけお話をします。
それは、人生において「夢や目標を持つことの大切さ」についてです。
先月3月17日(土)に、イオンモール岡山にある「おかやま未来ホール」で行われた京大起春風(きょうだいはるかぜをおこす)という京都大学主催のシンポジウムに行ってきました。
午後から参加した私は、3つの講演と、「挑戦の意味、失敗の意味」と題するパネルディスカッションを聞きました。
このシンポジウムの目的は、山極壽一総長によると、「社会に対するリスペクトを持って、この地球という大地を希望の地にできると信じて努力を続けている」京都大学の研究者が、「次の世を明るくするために語りかけること」でした。
私が一番印象に残ったのは、興味深い研究の内容もさることながら、先生方が研究によって実現したい自らの夢を語っているときの生き生きとした表情です。特に自分の研究での「失敗」した経験については、本当に嬉しそうにお話をされていました。
グローバル化の進行に伴い国際政治や世界経済が大きく構造変化し、自国中心主義や保護主義の台頭、核問題や民族間・宗教間の対立の激化など国境を越えた諸問題が世界を覆う中、地球社会の平和と共存のためには、これまでの狭い学問体系を超えて、常識を塗り替えるような新しい発想と理論の構築が求められています。その先頭に立っているスーパーグローバルユニバーシティと言われる日本のトップクラスの大学は、世界中の有力大学との間で、研究や人材獲得の面で激しい競争を繰り広げるとともに、社会や経済の発展に貢献する取組を積極的に一般市民に発信しています。
そんな中、京都大学は「京都大学研究連携基盤」という学際的な共同研究を推進するプラットホームを作り、人文科学、社会科学、自然科学の各分野を融合した斬新で「ユニークな発想」による研究を進めています。ここでいう「ユニークな発想」とは、「おもしろいことを探しだし、考えること」から生まれます。
ここからが今日、皆さんに伝えたいことです。
京都大学が進めている研究や学問領域には、山極総長が言われたように、「次の世を明るくする」という夢や目標があるからこそ、今回のパネルディスカッションのテーマのように「挑戦の意味、失敗の意味」があるのだと思います。
新年度に当たり、中学生、高校生の皆さんも、是非、自分自身の「夢」や、何のために学ぶのかという「学ぶ目的」、そしてその実現に向けた「具体的な目標」をしっかりと持ってください。その上で、「意味のある挑戦」、「意味のある失敗」を岡山操山中学校・高等学校でどんどんしてください。
夢や目標を持つことで、勉強を続けることの意味や理由も見えてきます。それは、中高で身に付けるべきしっかりとした基礎学力がなければ、変化が激しく、知識やスキルがすぐに陳腐化する社会の中で、生涯にわたって学び続け、夢や目標を実現することはできないからだと、私は思っています。
夢や目標を実現に向けて、基礎をしっかり身に付け、努力を続けることが大切なのは、何も勉強だけではありません。
今日の式辞の最後に、44才になった今も現役大リーガーとして活躍しているイチロー選手の言葉を紹介します。
「ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道。」 毎日の小さな練習の積み重ねが、信じられないほどの大きな記録を作るのです。

大切なことは、夢をあきらめないこと。そして、自ら学ぼうとする姿勢を持ち続け、努力を続けること。この1年、それぞれの夢や目標を胸に抱いて、その実現に向けて頑張る操山生の皆さんを心から応援しています。終わります。