岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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平成30年度2学期 終業式 校長式辞

2018年12月25日

平成30年度2学期終業式 式辞

皆さん、こんにちは。今日で平成最後の2学期が終わります。

8月末の酷暑の中で始まった長い2学期でしたが、中学から高校までの6学年の皆さんが、教職員も含めて、この場に元気に集まることができて、校長としてとても嬉しく思っています。

平成30年もあと10日で終わりますが、今年も、中学生・高校生共に学校内外の様々な場面で活躍してくれました。
そのうちの一人、(この式の後に表彰伝達がありますが、)中学2年生の小西珠生(こにしたまき)さんが、「全国中学生人権作文コンテスト」で最優秀の内閣総理大臣賞を受賞しました。
12月4日の山陽新聞に掲載された「学ぶことは生きること」は、校長室横の事務室前に掲示していますので御覧ください。
今日の式辞は、小西さんの作文の紹介と、「学び」についての、私から皆さんへのメッセージがテーマです。
小西さんの作文は、今年の夏休みに学習ボランティアとして通った夜間中学校での体験を基に書かれています。夜間中学校とは、様々な事情で中学校を修了できなかった人や外国籍の人など多様な背景を持った人々のために、岡山県内のボランティア団体が自主的に開いている学校のことで、5つの国籍を持つ、10代から80代までの方が約40人通っています。
十分な義務教育を受けられず、つらい状況に追いやられながらも必死に学ぼうとする人たちと接することで、小西さんは、今までの自分を振り返り、こう書いています。
「夜間中学に通う方たちの学びに対する情熱がまっすぐで、とてもまぶしかった。」
「学びを求めている人たちに、もっと『教育の機会』を届けたい。」
「学ぶことは生きること。私はこの夏、岡山自主夜間中学の皆さんに、学ぶことの意味を教えていただいたと思う。」
小西さんは、作文の最後の方に、2014年にノーベル平和賞を受賞したパキスタンのマララ・ユスフザイさんの国連でのスピーチを引用しています。
「一人のこども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペン。それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。教育を第一に。」
小西さんの作文から、私は改めて次の3つのことを学びました。
1つめは、学びとは、「勉強」という字が示すように、他のだれかに「強(し)」いられて「勉(つと)める」ものではなく、自らの意志で行うものであること。
2つめは、学びを通して、いつでも「新しい自分」になれること。
3つめは、学びには、社会を豊かにし、世界をよりよいものに変える力を持っていること。

ここからは、私から皆さんへの今年最後のメッセージです。
未来のあなたを待っている人は、この世界に必ずいます。
岡山操山でのあなたの学びは、将来のあなたが携わる仕事や研究などを通して、必ず多くの人たちの光となります。みんなが暮らしやすい素晴らしい社会や世界を目指して、操山生としての誇りを持って、今の努力を続けてください。

最後に。学びに早いも遅いもありません。そして、皆さんは、自分で思っている以上の大きな可能性を秘めています。
この冬休みを利用して、もう一度、学びを通して自分自身を見つめ、謙虚に学びに向き合ってみてください。
「どうして勉強しなければいけないの?こんな勉強、何の役に立つの?」と学ぶこと自体を否定し、宿題も嫌々していたと、小西さんの作文にありました。小西さんと同じように、悩み、苦しみながらも人として成長しようとする操山生の皆さんを、校長として、とても誇りに思っています。どうぞ、学びを通して、深い教養と思いやりの心を持った素敵な大人になってください。

では、少し早いですが、皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。
以上で式辞を終わります。