岡山県立岡山操山高等学校

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平成30年度 3学期終業式・修了式 校長式辞

2019年03月28日

3学期終業式・修了式式辞

H31.3.20(水)

皆さん、こんにちは。
平成30年度も今日で終わります。
今年度も、中学生、高校生共に日々の学習、学校行事、部活動などに全力で取り組み、それぞれ大きな成果を上げてくれました。また、一人の「人間」としても、そして「集団」としてもたくましく成長してくれたことを嬉しく思っています。
まさに、学校という社会に「調和」しながらも「流されずに生きる」という、本校の「和して流れず」の精神を体現してくれた皆さんは、本当に立派でした。ただ、皆さんを陰ひなたに支えてくれた同級生や先輩・後輩、保護者の方、そして、教え導いてくださった多くの先生方への感謝を胸に刻んでほしいと思います。
また、今日の式典も含め、いつも素晴らしい演奏をしてくれる吹奏楽部の皆さん、そして、生徒会執行部をはじめ学校行事等を支えてくれた全ての中・高の生徒の皆さんに、心から感謝します。

さて、平成30年度の終わりに当たり、皆さんに改めて振り返ってほしいことがあります。それは「この1年間、主体的に生きてきたか」ということです。
明治43年、今から110年前に夏目漱石が書いた『門』という小説があります。自分が抱える不安や苦悩から逃れるため、鎌倉の禅寺で数日間修行をした主人公が、帰り際、「悟りの門」が開(ひら)けないままだった日々をこう振り返ります。
「自分は門を開けて貰(もら)いに来た。けれども門番は扉の向側(むこうがわ)にいて、敲(たた)いても遂に顔さえ出してくれなかった。ただ、「敲いても無駄だ。独りで開けて入れ」と云う声が聞こえただけであった。」
悟りも人生も、ちょっと叩いたくらいでは、内側から誰も門を開けてはくれません。自分の力で「門」を開けるしかないのです。
高校や大学に進学しても社会に出ても、自分自身で考え、判断し、行動しなければ何も得られません。自分が変わらなければ、どこに行っても同じです。「門」を「運命」だと読み替えてみてください。
世の中に理不尽なことはたくさんありますが、私はその理不尽さを自分を成長させるチャンスだと思って、もがきながら、そして何より楽しみながら、今まで生きてきました。「未来」も、そして「運命」も、どこかに「ある」ものではなく、皆さん自身の力で、そして仲間と一緒に「作り出す」ものです。
皆さんが将来、情熱を持って本当にやりたいことは何なのか、それを実現するためには今の自分に何が必要なのか、どう行動すればよいかについて、この春休みの間にしっかりと考え、実行してみてください。これが私から皆さんへの「春休みの課題」です。皆さんからの素敵な回答を、4月の始業式で待っています。

最後に。是非、この春休みに時間をつくって読書をしてください。
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より頭の中の方が広いでしょう。」これは、同じく夏目漱石の「三四郎」の冒頭に出てくる広田先生の言葉です。この言葉のように、人間の持つ可能性は無限です。そのベースとなるのは、豊富な読書量に裏付けられた「幅広く深い教養」と「国語の力」だと思います。人間は、本との素敵な出会いによっても、変わることができます。図書館をしっかり利用してください。
では来年度も、それぞれの夢に向かって、中学生・高校生共に、いろいろなことにチャレンジしながら、そして楽しみながら、成長していきましょう。

これで式辞を終わります。