岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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岡山操山高等学校創立120周年記念式典 校長式辞

2019年10月15日

爽やかな秋の訪れを感じる今日の佳き日、衆議院議員・山下貴司様をはじめ多数の御来賓の皆様の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校創立百二十周年記念式典をかくも盛大に、かつ厳粛に挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びであり、感激に堪えないところであります。  

激動の近現代にあって、明治、大正、昭和、平成、そして令和と、本校が百二十年という長きにわたり歴史を刻むことができましたのは、岡山県、岡山県議会、岡山県教育委員会並びに本校同窓会をはじめ保護者や地域の皆様方のお支えがあったからこそと、心から感謝いたします。  

岡山操山高等学校は、明治三十三年開校の「岡山県高等女学校」と大正十年開校の「岡山県第二岡山中学校」を母体としています。

岡山県高等女学校の開校に当たっては、「女性の理想像を目指し、平和を維持していくにふさわしい人材を育てる」という高邁な理想を掲げ、その後の大正デモクラシーの流れの中にあって、何事も自力で問題を解決しようという自律的「女学校」への体質改善を目指しました。

第七代・和気昌郎校長は、「理想は高く心は明るく」をモットーに、知・徳・体の一体化、すなわち全人教育を推進し、第八代・妹尾盛親校長は、女性の学問・研究への道を拓くべく、当時の高等女学校としては異例の卒業論文を生徒に課すようになりました。  

本校のもう一つの前身である岡山県第二岡山中学校は、第一次世界大戦後の進学率の上昇という時代的背景を受け、初代・武居魁助校長の下、「新しい世の中の中心になって活躍する国民を育てる」という理念の下に開校しました。生徒たちは、自学自習の自覚にあふれ、真理の探求や人格の完成を目指し、勉学、部活動、学校行事等に全身全霊を打ち込みました。

このような歴史を有する一女と二中が、昭和二十三年の学制改革による新制高等学校への移行を経て、翌昭和二十四年八月三十一日に統合され、岡山県立岡山操山高等学校が誕生しました。  

岡山操山高校の初代校長・尾野作次郎先生は、校誌『操山』に寄せ、次のように述べています。  「操山高校草創の精神が松柏の精神であります。霜気凛烈の中に尚緑の色変ぬ松柏は節操の象徴であります。操山の操がこの節操に通ずるのも亦奇しきゆかりであります。この精神を堅持して学びの道にいそしむのが操山生徒の本領です。」  

戦後の様々な困難の克服に当たり、本校は、「節操」を重んじる「松柏」の精神に加え、一女の伝統である「和して流れず」、二中の伝統である「強く、正しく」といった人間教育を受け継ぎ、知・徳・体のバランスのとれた教育を基軸とする教育方針が形づくられていきました。この本校教育の伝統は今日も堅持されており、四万九千名を超える卒業生は、国内外を問わず、政治、経済、科学、文化、スポーツなどあらゆる分野にわたって活躍をしています。  

平成十一年から岡山市内普通科五校の総合選抜制が廃止され、平成十四年度には岡山操山中学校が開校し、県立初の併設型中高一貫教育校となりました。また、平成十七年度からは高校の教育課程を単位制に改編するなど、学校の特色づくりにも積極的に取り組んできました。  

平成二十七年度には文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール」の指定を受け、「『和して流れず』の精神で岡山と日本の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成」に取り組んでいます。  

このように、岡山操山高校は、創立以来、高い志とたくましい精神を持ち、社会を牽引するリーダーを育てることを使命としながら、常に先進的な教育を進めてきました。  

前例が通用しないと言われるこれからの時代は、経済社会のグローバル化に伴う自国第一主義の台頭や地域間格差の拡大、地球温暖化をはじめとする気候変動などが歯止めなく進行するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた人間同士の連帯が新たな価値を生み、デジタル革命と多様な価値観の融合により、Society5.0へとつながる大きな歴史的転換を迎えることが予想されています。  

人工知能がいかに進化しようとも、「どのような未来を創っていくのか」という実現すべき「目的」を作り出すことができるのは、人間の叡智だけです。常に正しい「問い」を立て、自ら学び続ける自立的な人間を育てること、そして、予測できない変化に主体的に向き合い、自らの可能性を最大限に発揮しながら、よりよい社会の創り手となる真のリーダーを育てることが、まさに本校の変わらぬ使命であり精神です。  

これからも本校は、「操山ファミリー」という固い絆で結ばれた学友が互いに助け合い、競い合いながら、あせらずじっくりと心身共に成長する良き伝統を守りつつ、人類、社会の進歩・発展に貢献する多くの若者を育ててまいります。  

最後になりましたが、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様並びに同窓会、PTAの皆様方に今後も変わらぬ御指導・御支援をお願い申し上げまして、式辞といたします。

令和元年十月九日

岡山県立岡山操山高等学校

校長 近藤 治