岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
086-272-1241
086-272-1721
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
文字サイズ

1学期終業式が行われました。

2020年08月07日

8月7日(金)1学期終業式が行われました。校長式辞と校歌演奏がGoogle meetにより行われました。

  皆さん、こんにちは。今日で1学期が終わります。今年度は4月20日から新型コロナウイルス感染症対策のため6週間が休校となり、例年より3週間遅れの終業式です。皆さんも不安な日々を過ごしているのではないかと思います。しかし、学校で友達と会えること、みんなと一緒に授業を受けられること、部活動ができることのありがたさも、この6週間の非日常生活があればこそ再認識できたのではないかと思います。きっと、今まで以上に友達と過ごす時間や授業、部活動などを大切にし、充実したものにしてくれていると思います。

  今日は、一学期の終業式にあたり皆さんに、私が尊敬するある芸術家の言葉を紹介したいと思います。

  その芸術家はピカソです。ピカソといえば名前はもちろん作品も知らない人はほとんどいないほど有名で、20世紀を代表する芸術家です。「泣く女」「ゲルニカ」などの作品が有名で美術の教科書にも必ずと言って良いほど掲載されています。子供たちからは「何を描いているのか分からない」「誰でも描けそうだ」などの感想を良く耳にします。決してプラスの評価ばかりではなく、このようなイメージを持っている人は多いようです。確かに「泣く女」「ゲルニカ」は代表作として知られていますが、それはピカソ芸術の一部に過ぎず、ピカソは絵画だけでなく、彫刻、版画、陶芸や舞台芸術など幅広く制作をしています。絵画に於いては「青の時代」「バラ色の時代」「キュビズム」「新古典主義」「シュールレアリスム」など多様なスタイルに挑戦し2万点にもおよぶ作品を残しています。

  幼少期からとても高い描写力を持ち、高校生くらいの年代には他の著名な作家の描写力にひけを取らないほどでした。25才頃からの「バラ色の時代」の作品は当時から非常に評価が高く、富と名声を得ていきますが、「私はものを見たままに描くのではなく、考えるままに描く」とか「明日描く絵が一番素晴らしい」という言葉にあるように、現状の富と名声に甘んじることなく、表現のスタイルをどんどん変えていきました。ピカソは多くの印象的で示唆に富む言葉を残していますが、私が一番感銘を受けた言葉は91歳の人生を終える直前に最後の自画像を描いた時の「今日絵を描いた。何か掴んだ気がする。今までとは違うものだ。」という言葉です。死の直前にこの言葉が残せる向上心、そしてバイタリティーには本当に敬服させられます。この向上心とバイタリティーこそが彼の才能そのものだったのではないかと思います。

  では、「向上心」を常に持ち続けるためにはどうしたら良いのでしょうか。とても難しいことだと思います。しかし、その答えは、逆に向上心が無い人の特徴にヒントがあると思います。

 「向上心」がない人の特徴として、「他力本願」、「責任転嫁する」、「無関心・無頓着」、「マイナス思考」、「視野が狭い」、「変化を恐れている」というキーワードがあります。思い当たるキーワードが自分に当てはまる人もいるかもしれません。その思い当たるキーワードに気を付けることが向上心を身につける近道になってくれるように思います。

   では、短い夏休みですが、できる限りリフレッシュしてください。そして自分自身の健康や周りの人の健康にも十分注意して、少しでも、一つのことでも良いので、自分自身で成長できたと思えるような夏休みにしてください。             

                                          校長 武内洋二