生物の実習

  「操山オリジナル」実験

中枢神経系と眼の構造の解剖学的観察

  この実験は柴田利明先生のプリントをもとに作製しています。
 

目 標

ニワトリの大脳。小脳。脳幹と視交差を観察し識別する。
眼の角膜・虹彩・水晶体・毛様体・網膜・強膜を解剖によって分別する。

準備

  • [材料] ニワトリの頭
  • [器具] 解剖バサミ,眼科用ハサミ,先細ピンセット,メス,糸ノコ,シャーレ

器具 ニワトリの頭部(実験には
トサカ・ニクゼンを取り除き
冷凍したものを使用)

方 法

Ⅰ 中枢神経系の構造

  • 図のⅠとⅡの断面のようにニワトリの頭部をそれぞれ糸ノコで切断する。      
  • 切断面を流水でこすって洗う。

1断面

  • 大脳:透明感のある肌色
  • 小脳:大脳の後方,白色の模様が特徴
  • 脳幹:間脳・中脳・延髄からなり,不透明で白色,大脳・小脳の下側に位置する
1断面の位置と切断面の名称
切断する位置 切断面の名称

2断面

  • 大脳:灰白質(皮質),白質(髄質)の識別
  • 視交差:左右の視神経が眼球につながることの観察

2断面の位置と切断面の名称


切断する位置 切断面の名称

Ⅱ 眼の構造

  • 解剖バサミとピンセットで眼球を取り出す。      
  • 眼科用ハサミとピンセットで外側から解剖し,各組織を分別する。
視神経や眼球の固さを
確認する。
眼球の頭頂部に眼科鋏で
切れ込みを入れ,二分する

眼球前:角膜・虹彩・チン
小帯を確認
眼球後:網膜・脈略膜・櫛状
突起を確認

結 果

観察できたもものに○をつけなさい。
Ⅰ 大脳   小脳   脳幹   大脳皮質    大脳髄質    視交差
   大脳の色    (       )    小脳の特徴   (        )
   大脳皮質の色 (       )    大脳髄質の色  (        )
Ⅱ  角膜    虹彩    水晶体    毛様体    網膜    強膜
    虹彩の色    (       )    水晶体のかたさ (       )
    毛様体の形状 (       )    網膜の色     (       )

考察

  1. 中枢神経系の働きをまとめなさい。
                         
    • 大脳・・・各種の間隔中枢,随意運動の中枢,記憶判断など高度な精神作用。
    • 間脳・・・自律神経の中枢,体温・血圧・血糖量・浸透圧等の調整。
    • 中脳・・・姿勢を保つ,眼球運動,瞳孔反射。
    • 小脳・・・筋運動の調整,平衡を保つ,運動の調整。
    • 延髄・・・呼吸運動,消化管の運動,心臓の拍動。
    • 脊髄・・・延髄反射の中枢で脳との連絡経路となる。

  2. 鳥類で最も発達する中枢神経はなにか。    (   小脳   )

  3. 網膜に存在する2つの神経細胞とその働きを答えなさい。
    • (  錐体    )細胞-[ 明所で働く     ]
    • (  桿体    )細胞-[ 暗所で働く     ]
       
  4. 水晶体の形状と毛様体の状態を答えなさい。
    • 遠くをみるとき=( うすい  )-[ 弛緩する   ]
    • 近くをみるとき=( 厚い   )-[ 収縮する   ]
  5. 次図の1~7に名称を答えなさい。(略)

  6. 下図のa.b.cで視神経を切断したときの見え方を右表の切断位置に記入しなさい。(略)

参考

耳の観察
くちばしの先から左右の耳の位置までを測定する。
距離5.5㎝ 6.0㎝ 
右側 左側
耳までの長さが違うことから,首をかしげる動作をして,音までの距離を測っている。