⇒山岳部     ⇒03年インターハイ   ⇒03topics   ⇒全日制先頭

平成15年度全国高校総体男子団体第3位
             この活躍により
岡山県知事より
「岡山県トップアスリート スポーツ奨励賞」を,
岡山市長より 
「岡山市人見絹枝 スポーツ顕彰 スポーツ奨励賞
             を授与されました

 本校は,「和して流れず」「松柏の精神」といった伝統的な言葉をモットーにし,全人教育をめざしてきました。現代風に翻訳すれば,“人間的な上品さ(Grace)を育む社会力のある学校づくり”と言えるかもしれません。

 そのために,学業だけでなく特別活動や部活動も重視しています。今夏,山岳部が頭書の成績を収めたのもそうした学校づくりの賜物と言えます。

 登山競技は,重い荷物を担いで山を登るレースのように思われがちですが,実際は登山活動の中でさまざまな課題をクリアし,獲得した点数で勝敗が決まるという競技です。体力,歩行技術,テント設営技術などの運動系の項目だけでなく,2万5000分の1の地図を使った通過地点の読図,天気図作成・気象予報,救急医療知識テスト,大会コースの山域に関する知識テスト,栄養を考えた食糧計画と能率的な炊事,登山計画書の正確さ,山行の記録書の充実度などが主に減点方式で採点されます。3日間,早朝3時半には起床して三つの山域を踏破します。時には,山中に審査員が潜んで体力や歩行技術を見ることもありますし,21時の就寝時刻が過ぎた後もテント周りが整理できているかの確認があり,四六時中先を読む集中力が要求されます。

 この3Kの競技に対応するには,持久力や瞬発力といった体力以外に,情報を正確に整理し,状況に応じた判断ができる知力と,3日間風呂にも入らず狭いテント生活を仲良く過ごせる社会力がどうしても必要です。

 今年は,長崎県の雲仙山系・多良山系がインターハイの会場になりました。暑い長崎の山の3日間45kmの山行は,生徒に随行する監督顧問にとってまさに“行”ですが,雲仙の普賢岳の向こうに,火砕流で有名になった平成新山の溶岩ドームが水蒸気を出しているのをみると,大地の営みを感じるとともに人間の卑小さに思いを致し,ひととき心頭を滅却することができました。

 さて,閉会式での第3位の表彰。常連の山口・広島県の学校を凌いで上位に入賞できた喜びは格別のものでしたが,なによりも嬉しかったのは本校の2学期の始業式で開いていただいたインターハイ3位入賞の報告会でのキャプテンの言葉でした。

 「顧問の先生方をはじめとして数多くの方々の御指導御協力のおかげでここまで来ることができました。ここまでともに汗を流し,支え合ってきた部員みんなに感謝したいと思います。登山は,一歩一歩進むしかできない辛いスポーツではありますが,私はこの3年間の部活動で,体力と技術を得て,仲間とともにほんとうに山を楽しむことができました。このような機会を与えてくださった操山高校に感謝したいと思います。」

 一つ一つの言葉に思いを込めて語る誠実な彼の姿こそが“操山”の一つのシンボルでした。天から恩寵(Grace)をいただいたような爽やかな風を感じました。

(顧問・岡山操山高等学校教諭 香山真一


岡山県立岡山操山高等学校
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