平成29年度二学期終業式 式辞
皆さん、こんにちは。今日で二学期が終わります。
中学校1年生から高校3年生まで、教職員も含めて、この場に元気に集まることができて、とても嬉しく思っています。
今年もあと10日ほどで終わりますが、今年を振り返ると、中学生・高校生共に様々な場面で活躍してくれ、校長としてとても嬉しく思っています。運動部、文化部とも、全国大会で活躍した生徒もたくさん出ました。また、勉強や部活動、松柏祭などの学校行事、「未来航路」、さらにボランティア活動等で頑張った生徒も多かったと思います。
今、高校3年生の皆さんは、自分の夢や目標の実現に向けて、ひたむきに頑張っていると思います。今日は、高校3年生を含む全ての操山生に、私が尊敬するある元校長先生の言葉を紹介して、エールに代えたいと思います。
退職されて10年近くになった今も、社会の第一線で活躍されているその元校長先生が最近書かれた随想の中に、このような言葉がありました。
「私はたとえ負荷が大きいと感じることも、前向きに頑張れば、きっと誰かが見てくれているということを、正岡子規のこの歌からいつも感じ取っています。
真砂なす 数なき星のその中に 吾に向かいて 光る星あり
(砂のように無数に散りばめられた星。その中に、私に向かって光っている星がある。)
自分の存在を認めてくれている人がいるという安心感があると、向上心や意欲につながります。そして、大変なことやしんどい仕事が重なれば重なるほど、面白く仕事をしていきたいと思うのです。」
今、私の目の前にいる約1200人の皆さんの中には、心の中で「孤独」を感じている人がいるかもしれません。あるいは、自分のことを誰も見てくれない、分かってくれないと感じている人、人間関係で悩んでいる人もいるかもしれません。
でも、あなたのことを見ている人は必ずいます。
人知れず、一人で悩んでいるあなた。一生懸命に勉強や部活動を頑張っているけれど、なかなか結果が出ないであきらめかけているあなた。本校生徒のために見えないところで努力を続けているあなた。あなた方のことを見ている人は必ずいます。
少し哲学的に言うと、私以外のだれかが私を見ているから、見られている私は存在していると言えるのです。そういう意味で、透明人間というものが仮にいるとしても、人から見えない以上、存在していないのです。
あなたが頑張っていることは、あなた以外の、あなたを見ている人から評価されます。時には誤解されたり陰口を言われたりして、傷付くすることがあるかもしれません。でも、それらは自分ではコントロールできません。無理やりその状態から逃げようとしたり、平静を保とうとしても、逆につらくなるだけです。そんな時は、先ほどの子規の歌を口ずさんでください。
真砂なす 数なき星のその中に 吾に向かいて 光る星あり
私に向かって光っている星があることを信じて、だれかが見てくれていることを信じて、そして何より「内なる星」である自分自身を信じて、自分に与えられた命を、自分のために、そして自分以外の人たちのために精一杯使い尽くすことが大切だと、私は思っています。最後に短く、私が皆さんにお伝えしたいことを3つ言います。
1つめ。自分が苦しいときは、苦しんでいるだれかの味方になってみましょう。人の役に立とう、世の中を少しでも良くしよう、という気持ちを持つことが、前に進む自分の力になります。
2つめ。試験を受けるときなど緊張する場面では、自分の考えや学んできたことを、これから自分が入学する大学等の方々に理解してもらえるチャンスだと捉えましょう。気持ちが前向きになります。
3つめ。つらい経験をした人であるほど、人の痛みを理解し、人に希望を与えることができるようになります。つらさや困難さを乗り越え、人に希望を与える存在になりましょう。
先ほど紹介した元校長先生のように、大変なことやしんどい仕事が重なれば重なるほど、面白く仕事ができる、そんな素敵な大人になりたいと私も思っています。
「るかたす」。あなた方のことを見ている人は必ずいます。そして、皆さんには、多くの素晴らしい仲間、そして先生方がついています。私たちは皆さんを、心から応援しています。操山生としての自信と誇りを胸に、頑張りましょう。
では、少し早いですが、皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。
以上で式辞を終わります