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令和元年度第71回卒業式 学校長式辞

令和2年3月2日(月)

式  辞

 梅の花が風に舞い、早春の息吹が感じられる今日のよき日、保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校第七十一回卒業式を、かくも厳粛に挙行できますことは誠に大きな喜びであり、感謝に堪えないところです。本校教職員、在校生と共に、厚く御礼申し上げます。
 卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
皆さんは、長い人生の中でもとりわけ貴重な青春の三年間を本校で過ごされました。そして、本校の歴史と伝統を表す校庭の大樹に見守られ、学業や学校行事、部活動等にいそしみながら心と体を鍛えてこられました。本校で皆さんが続けてきた努力と培ってきた友情は、皆さんのこれからの人生の中でかけがえのない財産となるでしょう。卒業された後も、皆さんは「操山ファミリー」の一員であり、本校は、いつまでも皆さんの「心のふるさと」です。集まり散じて人は変われど、水清きこの地に建つ母校は、皆さんのこれからの人生を見守っています。
 さて、新しい「令和」の時代にあっても、経済のグローバル化やデジタルサイエンスの進展はとどまることなく、人、物、情報が高速かつ大量に世界を駆け巡っています。
 また、水や食料の問題、地球温暖化や異常気象、貧困や格差の拡大、さらに、新たな感染症の発生など、私たちの身の回りには地球的視野で解決すべき未曾有の問題が山積しています。
 これらの理由としては、国際社会が有効な解決策を提示できないことに加え、解決に向けた「正解」が存在しないこと、あるいは一つとは限らないことが挙げられます。かつてないほど世界の距離が短くなり、価値観の多様化が進む中、地球上にどうやって安全・安心で「共に生きる社会」を構築するかが、現在、問われています。

 そのような中、「未来への航路」に旅立とうとする皆さんに、私は次の二つのことを期待しています。
 一つめは、引き続き「志」を高く掲げ、国内外の人々の幸せのために貢献する努力を続けてほしいということです。
 学びは、自分の興味を満たすためだけのものでも、他者よりも優れていることを誇示するためにするものでもありません。私たちは自分で得た知識や技能を、「人間を幸福にする」ために学ぶのです。
 近い将来、皆さんがそれぞれ専門とする学問領域は、一つの大学や日本国内だけでは完結せず、世界のいろいろな研究成果や知見を集めて、地球規模の課題に共同で立ち向かうようになるでしょう。その意味でも、皆さんの新しいステージでの学びは、個別的なものではなく、これからの社会や歴史を変え、人類社会のために貢献していくものにつながっています。より高度な知識や技能を身に付けるとともに、幅広く現実の世界の有り様を理解し、課題解決に向けて主体的に学び続け、新たな価値を生み出す努力を続けてください。
 二つめは、これからも「人格」を磨き続けてほしいということです。
 本校には、脈々と受け継がれている「和して流れず」、そして「松柏」の精神があります。それらは、相手を尊重する姿勢を常に持ちながらも、周囲に流されることなく、自分の信念を貫き通す強い志と覚悟を表しています。
 習得した知識や技術を社会で生かすためには、世界への貢献意識や他者の痛みへの想像力、社会の形成者としての自覚が必要です。自由や寛容の精神を高く掲げ、世界に貢献することを目標にできる「人格」が増えることが、私たちの未来を、単なる「勝ち負け」の世界から解き放ち、小さな星である地球を人類が共存できる真に豊かな社会に変えてくれます。自分の利益を顧みず、貫ける正義を持つ人になってください。
 そして、素敵な音楽や絵画に触れ、優れた文学を読み、幅広い教養を身に付けてください。また、自分を多様な他者や世界と出会わせ、深くものを考える力や対話する力を身に付けてください。そうして、自らが思い描く社会の実現に向け、他者から信頼され尊敬される「人格」となるよう努力を続けてください。高圧電線は、強い風や雪の重みに耐えられるように弛ませておき、決して一直線には張りません。二つの点の間の最短距離を直線で結ぼうとすると切れてしまいます。急ぐあまり、自分の「余白」をなくしてしまわないようにしてください。

 自立した一人一人が意見の違いを認め合い、健全な合意を創り上げる営為が、私たちの世界を分厚く豊かなものにします。これからの世界をつくるのは皆さん自身です。大学でも、そして社会に出ても、大いに学び、自分の世界を広げ、温かい心を持った素敵な大人になってください。

 終わりになりましたが、保護者の皆様方に改めてお礼とお祝いを申し上げます。今年度、本校は創立百二十周年を迎えましたが、これもひとえに保護者の皆様方の御理解と御協力があってのことと感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 また、今日の晴れの日を迎えたお子様の健やかな成長ぶりを目の当たりにされ、入学から今日まで温かく見守り、励ましてこられた日々が思い出され、感無量のものがおありのことと拝察いたします。皆様方のこれまでの御労苦に対し、心から敬意を表しますとともに、本校にお寄せいただきました数々の御支援、御協力に厚くお礼申し上げます。
 卒業生の皆さんとの名残は尽きませんが、本校を巣立っていく二百七十名一人一人の輝ける未来への航路を期待し、式辞といたします。

令和二年三月二日    
岡山県立岡山操山高等学校
校 長  近 藤   治

令和元年度「未来航路 課題研究発表会」校長挨拶

R2.1.28(火)13:00~

改めまして、皆さん、こんにちは。

 午前中のポスターセッション、お疲れ様でした。操山生の発表、そして岡山城東高校、岡山学芸館高校の生徒さんの発表も本当に素晴らしかったです。岡山操山が目指しているのは、「人間を幸福にする」人間を育てることです。国や宗教、住んでいる環境は違っても、みんな小さな惑星・宇宙船「地球号」に乗り合わせている乗組員なんですね。人類の歴史や豊かな地域文化、多様性、そして人間の尊厳や社会の秩序をどうすれば維持し次の世代につないでいけるか、今日、皆さんからたくさん、ヒントをもらいました。 
「未来航路」で培った問題意識をさらに深め、実現化するために、大学で何を学ぶのか、そして、これからどう生きていくのか、皆さんには期待しかありません。皆さんは本当に素晴らしいです。頑張ってください。

 さて、午後は、全体発表を行います。
 第1部は、7つの系統を代表する班の発表です。1年間の研究を締めくくる素晴らしい発表を期待しています。
 朝、紹介したように、午後2時8分頃、伊原木知事がここに到着されて、皆さんの発表を一番前で聞かれると思います。知事が到着されたら、司会がアナウンスしますから、皆さん大きな拍手をお願いします。その後に、知事さんから操山生の皆さんにメッセージがあります。しっかりと聞いてください。
 休憩を挟んで、第2部は、朝の挨拶で紹介したように、東京学芸大学附属国際中等教育学校、岡山城東高等学校、岡山学芸館高等学校の生徒の皆さんが発表してくれます。トリは、本校のSOZAN国際塾の発表です。
 では、それぞれの学校の生徒を紹介します。皆さん、こちらにどうぞ。

(紹介後)操山生の皆さん、大きな拍手をお願いします。

令和元年度「未来航路 課題研究発表会」(開会行事)校長挨拶

R2.1.28(火)8:40~ 

 皆さん、おはようございます。
 さて、今日は丸ごと、「未来航路課題研究発表会」の日です。皆さんの発表を聞ける今日の日を、すごく楽しみにしてきました。
 午前中は本校の各教室などでポスターセッションを、午後は場所を岡山市民会館に移し、全体発表を行います。
 午前中のポスターセッションには、特別ゲストとして、岡山城東高校と岡山学芸館高校の生徒さんも発表してくれます。
 両校の生徒の皆さんはこの後、紹介します。
 午後は、昨年度に引き続き、東京学芸大学附属国際中等教育学校の生徒さんがプレゼンをしてくれます。岡山城東高校、岡山学芸館高校の生徒さんもメンバーを替えてプレゼンをしてくれることになっています。
 午前中は、岡山操山中学校1・2年生も参加します。
 ここにいる高校1年生の皆さんは、今日一日、これから始まる研究のヒントを、具体的に見つけてほしいと思います。

 さて、課題研究発表会の開会に当たり、私から1つだけお話をします。
 皆さんは自分が30歳になったとき、どこで何をしているか想像できますか。私は操山の校長になってずっと、そのことを中心に本校の教育について考えてきました。皆さんが30歳になる十数年後は、国境を越えて飛び交う情報の量とスピードが飛躍的に増加し、AI(人工知能)やIoTが進化し、今ある定型的な仕事、前例踏襲的な仕事は次第になくなり、多くの人が知的創造性の高い仕事や高度な判断が必要な仕事に就くようになるでしょう。
 その時に必要とされるのは、知識の量だけではなく、様々な事象に対して、どこに問題があるのか、どうすれば解決できるのかという課題を自分の中で設定し、その課題解決に向けて文系・理系を超えた様々な知識や統計資料などをフル活用しながら客観的な現状分析を行い、論理的に考えを深めながら最適な解を導き出す力、さらにそれを関係者に分かりやすくプレゼンし説得する力が求められるでしょう。
 もう一つ、国際的な学力比較調査において、日本の若者は「自己肯定感」や「学習意欲」、「社会参加の意識」が低いというデータ、さらに根拠や理由を示しながら自分の考えを述べる力が弱いというデータがあります。
 本校の「未来航路」は、みなさんがどこで生きていようと、どんな仕事に就いていようと、自分の生き方に自信を持ち、主体的に学び続け、より良い社会づくりに向けたリーダーになるための基礎となる力を身に付けるために行っています。皆さんの真摯な学びが、皆さん自身と地球の未来を変えていくのです。
 今日の過ごし方で、たぶん、皆さんが30歳になったときの姿も変わっていくのではないかと思います。発表者へのリスペクトを持って真剣に聞く、質問する、質問に答える、そうやって、研究は深まっていきます。
 最後に、今日に至るまで生徒たちを熱心に御指導いただきました岡山大学の先生方、大学生・大学院生の皆さん、そして温かく生徒を見守っていただきました保護者の皆様にお礼を申し上げますとともに、生徒たちの成長のために日々頑張ってくれている本校の教職員に心から感謝します。

 なお、今日の午後には、伊原木岡山県知事さんがプレゼンを見に来られます。2本ほどプレゼンを見たり、休憩の間にG20保健大臣会合で提言をしてくれた国際塾の生徒たちと懇談される予定になっています。忙しい中時間を割いて皆さんの活動を見に来てくれるので、市民会館で知事が来場されたら、大きな拍手をお願いします。
 今日は、大いに楽しみましょう。以上で私の挨拶は終わりです。


 では、午前中のポスターセッションをしてくれる岡山城東高校と岡山学芸館高校の生徒さんを紹介します。どうぞ登壇してください。


(紹介後)もう一度、両校の皆さんに大きな拍手をお願いします。

令和元年度 補習科 後期閉講式 校長からの激励の言葉

 補習科生の皆さん、こんにちは。
 この1年間、皆さんは本当によく頑張りました。センター試験は終わりましたが、私立大学、国公立大学2次試験など、これからが入試本番です。皆さんの健闘を祈っています。


 私から3つお話をします。
 1点目。これからは、自分がコントロールできるもの(自分の勉強時間、集中力、合格への熱意)だけに集中してください。
 受験は「自分自身」との戦いであり、決して全国の受験生との戦いではありません。全国の受験生については、自分ではコントロールできないからです。コントロールできるのは 自分自身のみなのです。
 センター試験の得点はもう出ました。これはコントロールできません。コントロールできるのは、2次試験に向けた具体的な取組です。
 皆さんには、現役生とは違って去年の経験があります。この時期にどのような心構えを持って、何をしなければいけないのかが具体的に分かっているという皆さんのアドバンテージを最大限に生かして、引き続き努力を続けてください。


 2点目。先生方、授業、添削指導など操山のリソース(資源)を最大限活用してください。
 皆さんの出願先については、経験豊富な本校の先生方が参加する「検討会」でしっかり練った結果を基に、髙戸先生、村木先生との面談を経て、皆さん自身が決めることになります。出願先について、しっかりと先生方と相談してください。
 また、いったん目標(出願先)を決めたら、しっかり対策を立てて、本校でできることは全てしてください。「特Bへの参加」もありだし、補習科の授業でお世話になった先生の「添削問題」をベースに勉強を組み立てるのもありです。遠慮は無用です。補習科ならではのアドバンテージである、操山のリソース(資源)を全て使い切ってください。


 3点目。皆さんは決して一人ではないことを思い出してください。補習科の仲間、先生方みんなで一緒に戦っています。先週の東京出張の際に買ってきた「東京ばな奈風味キットカット」をお守りとして手渡しします。皆さん一人一人に心を込めてメッセージを書きました。
 では、引き続き頑張ってください。吉報を待っています。

令和元年度後期生徒会認証式

R2.1.8 月

 令和元年度後期生徒会役員の皆さん、よろしくお願いします。
 12月16日(月)の後期生徒会役員選挙立会演説会で、会長が、「エッセンシャル思考」について言及し、「今本当に重要なことは何かを考え、10割のうちの2割でどうカラーを出すかが大切」という話をしました。
 大人になればより分かってきますが、全てのことに全力を尽くすことはできません。「岡山操山高校の本質」を校内外にアピールし、操山生同士の一体感を打ち出す機会は松柏祭が1番です。3月にはリーダー合宿がありますが、是非、生徒会活動を通し、自分たち生徒会が本当に大切にしたいものは何か、松柏祭を通して何を伝えたいのか等についてしっかり議論し、来年度、具体的な形にする努力を続けてください。
 惜しまれながら、前期で執行部を引退する2人も本当にお疲れ様でした。これからも人生は長い。執行部の外から、操山を盛り上げてください。
 私は生徒会執行部の皆さんが大好きです。自分以外の人のために一生懸命に頑張れる人は本当に素晴らしいです。これからも応援しています。

令和元年度 3学期始業式 校長式辞

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 2020年、令和2年のスタートに当たり、生徒の皆さんの元気な顔を見ることができて、とても嬉しいです。
 高校3年生の皆さんは、約10日後にセンター試験を迎えます。前日17日(金曜日)に、ビデオで、改めてエールを送らせていただきたいと思います。
 中学生の皆さんや高校1・2年生の皆さんにとっても、3学期は1年間の活動の総仕上げの時期であり、次の学年への助走の時期です。緊張感を持って毎日を過ごしてほしいと思います。
 さて、今日は1つだけお話をします。今年、オリンピックが56年ぶりに東京で開催されますが、その目指すものについてです。東京大会の「大会ビジョン」は、「スポーツには、世界と未来を変える力がある」というもので、「全ての人が自己ベストを目指し」「一人一人が互いを認め合い」「そして、未来につなげよう」が基本コンセプトです。その上で、「史上最もイノベーティブ(革新的)で、世界にポジティブ(前向き)な改革をもたらす大会とする。」ことを東京オリンピック・パラリンピックは目指しています。
 「多様性と調和」、「未来への継承」がキーワードになっていますが、このビジョンのベースにあるのが、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」という考え方です。SDGsには、「貧困をなくそう」や「質の高い教育をみんなに」、「気候変動に具体的な対策を」など17の目標がありますが、IOC(国際オリンピック委員会)は、東京大会での「全ての側面に持続可能性を導入する」とし、環境や人権などに配慮する方針を示しています。
 例えば、昨年11月末に完成した「杜のスタジアム」と呼ばれる新国立競技場は、国産の木材がふんだんに使われ、「環境に配慮したオリンピック」の象徴となっています。
 しかし一方で、国立競技場をはじめ9つに競技場で、コンクリートを流し込む基礎工事で必要な型枠合板に使い捨ての木材が大量に使われ、その3分の2以上がインドネシアとマレーシアの熱帯材だという事実もあります。これらの国々では貴重な生態系を維持するために大切な熱帯林が切られているのです。
 物事は、必ずプラスの面とマイナスの面が背中合わせになっています。経済(エコノミー)が成長するためには、天然資源を切り崩すことが必要です。その結果、地球の生態系(エコロジー)が破壊され、そこに住む人々の生活や動植物の生存・生物多様性が脅かされます。経済のグローバル化が進んだ現在では、他国の犠牲の上に一時的な繁栄を得ることができても、必ず、地球規模の気候変動や地域紛争、難民の発生などの形で大きな影響を受けるでしょう。
 エコノミーとエコロジーを例に取りましたが、是非操山生の皆さんには、各教科・科目で学んだ教科横断的な知見を総合的に活用しながら、広い視野と複眼的な視点、さらに明確なエビデンス(科学的根拠)を持って、様々な社会事象を冷静に分析する知性(インテリジェンス)と、ユーモアや優しさ、他者に寄り添う心など豊かな人間性(ヒューマニティ)を、この1年間の本校での活動を通してしっかりと身に付けてほしいと思います。この4月から高校1年生に導入する一人1台パソコンは、教室を世界の最前線とつなぐことで、授業が変わるだけでなく、皆さんの学び方がより主体的なものになるでしょう。
 「自分だけが良ければいい」「今だけ良ければいい」「金だけあればいい」という近代の論理を乗り越え、新しい時代のパラダイム(思考の枠組み)を構築する先頭に立ってください。評論家が百人いても世界は変わりません。世界を変革する実践者が1人いれば、より良い社会の実現に向けたムーブメントを起こすことができます。今回のオリンピックが史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会となるかどうかは、皆さんをはじめ、これからの時代を担う世界中の若者にかかっています。
 選手たちの活躍に心から拍手を送る、おもてなしの心で海外の方と交流することに加え、今、日本で、世界で何が起きているのか、どの情報が本当に正しいのか、そしてより良い社会の実現のために、自分は何を学ぶべきか、どう生きていくかを深く考え、実践する1年にしてもらいたいと思います。
 高い志を持った社会のそして世界のリーダーとして、学校や国の枠を超えて、切磋琢磨して頑張りましょう。 
 以上で式辞を終わります。

令和元年度 2学期終業式 校長式辞

  (R1.12.24(火)11:25~)


皆さん、こんにちは。今日で、令和最初の2学期が終わります。残念ながら、中学校3年生の皆さんはインフルエンザの関係でこの場にいませんが、新年1月8日(水)の3学期始業式では、全員の元気な顔を見たいと思います。
 記念すべき令和元年も、あと1週間で終わりますが、今年も、中学生・高校生共に学校内外の様々な場面で、大いに活躍してくれました。特に今年は本校創立120周年ということで、記念松柏祭や記念式典をはじめ、多くの関連行事に積極的に参加し、本校の素晴らしさを広く県内外に発信してくれました。今は実感がわかないかもしれませんが、自分が現役のときに母校の120周年を迎えたことは、皆さんの一生の思い出になると思います。
 
さて、今日の式辞では、2つお話をします。1つめは、「大学入試」について、2つめは「大学とはどんなところか」についてです。

 1つめの「大学入試」については、来年度の大学入学共通テストの記述式問題導入や、英語の4技能を測る民間の英語資格・検定試験の成績提供システム導入が延期となり、不安な思いの生徒もいると思います。
 ただ、今回の大学入試改革は、皆さんが未来を切り拓くために必要な資質・能力の育成を目指し、高校教育改革と大学教育改革の一環として取り組んでいるものであり、中・高の教育を通して論理的な思考力や表現力を育て、それらの力を大学入試で評価するという方向性はこれからも変わりません。
 来年度の記述式問題導入は見送りとなりましたが、各大学の個別選抜では記述式問題の活用に積極的に取り組むよう、文部科学省が各大学に要請しています。
 英語についても、リーディングやリスニングだけでなく、スピーキングやライティングを含む4技能をバランスよく育む大切さは変わりません。
 日々の学習の積み重ねが、大学入試につながっています。毎日の授業こそが受験勉強です。学力とは、先生から与えられるものではなく、時間をかけて自らつかみ取るものです。大学は、そうやって自ら獲得した「分厚い学力」を持った生徒を求めています。

 
では、2つめの、「大学」とはどんなところでしょうか。
 結論から言うと、それは、人間や社会、自然に関する真理を探究する場であるとともに、社会や世界を良い方向に動かしていける原動力となる人間を育てる場です。OECD(経済協力開発機構)は、自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく力を「エージェンシー」という言葉で表現しています。岡山操山120年の歴史で変わらないこと。それは、より良い社会の実現に向け、努力を惜しまない人間、つまりOECDの言う「エージェンシー」を自ら磨き続ける人間を世に送り出すことです。
 目先の金儲けだけを目的にしている企業は持続しません。みんなが心身共に健康で、幸せに生活していけるよう、そして地球環境に配慮し、持続可能な社会の実現という理念を掲げ、常に技術革新を行い、時代の変化に対応した商品開発を続けている企業が生き残り、発展していきます。
 SGH校である岡山操山での「未来航路」を含む全ての学びや活動は、皆さんが進学した大学での、豊かで持続可能な「未来」を作るための学問の基礎となります。
 また、社会を変革するためには、まず、自己(自分自身)を変革しなければいけません。
 自己変革とは、他者との違いを受け止め、「自分の良さ」を理解した上で、より素敵な新しい自分になるために自分自身を自ら突き動かすことです。
 皆さんの中には、理想と現実とのギャップ、友人や家族との関係、経済的な心配、心身の不調など、いろいろな要因で苦しんでいる人がいるかもしれません。いえ、たぶんここにいる皆さんは、何らかの苦しみや悩みを抱えながら生きていると思います。
 でも私は、4年間、皆さんの良さや素晴らしさ、内に秘めた無限の可能性を見てきました。皆さんは一人一人、素晴らしい良さを持っています。
 是非、苦しみや悩み、失敗への恐怖から逃げないで、全てを受け入れた上で、「自分の良さ」を認め、前に向かって踏み出してください。私は、今まで、悔しさや劣等感、ダメな自分など全てを受け入れ、それらを燃やして前に行くエネルギーにしてきました。
 教育を通して、より良い社会を作る多くの若者を育てることが、私の「エージェンシー」です。これからもその思いは変わりません。
 操山生の皆さん。是非、今までたくさんの苦しさを乗り越えてきた自分の力を信じ、最後まであきらめないでベストを尽くしてください。皆さんは、必ず多くの人たちを、そして社会を、世界を照らす光となります。
 この冬休みを利用して、もう一度、自分自身を見つめ、「大学で何を学ぶか」「これからどう生きていくか」、自分と向き合ってみてください。
 では、皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。3学期の始業式で元気にお会いしましょう。   
 以上で式辞を終わります。

令和元年度 冬季球技大会 校長挨拶

R1.12.13 FRI 08:40~

 皆さん、おはようございます。
 生徒の皆さんは、先週は第4回学力テストで大変だったと思いますが、今日は気持ちを切り替えて、思う存分、ジップアリーナでバレーボールを楽しんでください。
 私は、昔、バレーボール部の顧問をしていました。「バレー」とは、サッカーやテニスの「ボレー」のことで、「ボールが地面に着く前に打つ」ことを意味します。地面にボールが触れるまでプレーが続くバレーボールの試合で勝つためには、次の3つのことがポイントになります。
 1つめは、誰のボールかということを明確にするために、声を出すこと。
 2つめは、周囲の5人のプレーヤーがカバーできるようにボールを高く上げること。
 3つめは、ボールから目を離さないこと。 
 要は、バレーボールはカバーリングのスポーツであり、声の連携のもとでチームみんながお互いにカバーし合いながら、ボールをつなぐことがバレーの基本です。
 チーム内で、そして応援の人も含めて、声を掛け合って、勝利に向かって心を一つに頑張ってください。
 最後のエキシビジョン・マッチには、教職員チームも出ますが、生徒の皆さんも怪我をしないようにしっかりとウォーミングアップや準備運動をして試合に臨んでください。


 最後に、審判等でお世話になる体育委員及びバレーボール部員の皆さん、進行をしてくれる生徒会執行部や放送委員の皆さん、救護係の保健委員の皆さんにお礼を申し上げて、私からの挨拶とします。

令和元年度 中学校教員対象 学校説明会 校長挨拶

R1.10.17 THU

皆様、こんにちは。岡山操山高等学校長の近藤と申します。
 本日は、大変お忙しい中、本校の学校説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
 開会に当たりまして、本校を代表し、一言御挨拶を申し上げます。中学校の先生方には大変お世話になっております。
 新聞等でも報道されましたが、本校は、今年度、創立120周年記念式典を行いました。1900年(明治33年)に創立した岡山県高等女学校をルーツにしておりますが、長きにわたり岡山県の高校教育をリードできておりますのも、中学校から優秀な生徒さんをお送りいただいているおかげです。心から感謝申し上げます。
 先生方が送り出していただいた生徒たちは、岡山操山中学校出身の生徒たちと切磋琢磨しながら、本当によく頑張ってくれています。
 特に、文武両道で頑張りたい生徒がたくさん入学してくれており、岡山操山中学校出身の生徒たちと共に、勉強でも学校行事でも部活動でも本校を引っ張ってくれています。本校に活力と多様性を与えてくれています。


 せっかくの機会ですので、最初に私から2点だけ、お話をさせていただきます。
 1点目は本校の特長について、2点目は学校の受け入れ体制についてです。
 1点目の本校の特長についてですが、本校では、スーパーグローバルハイスクールの指定を受けて、岡山や日本の未来を切り拓く将来のグローバル・リーダーの育成を図る教育を進めております。グローバル・リーダーとして必要な資質・能力を、「幅広く深い教養」、「課題解決能力」、「リーダーシップ」、「コミュニケーション能力」、「社会貢献の意識」という5つに定め、本校での様々な教育活動を通して身に付けていけるよう、全教職員が一丸となって取り組んでおります。
 本校では3年間にわたり、総合的な探究の時間を中心に、「未来航路」という課題探究学習を行っております。新しい学習指導要領を先取りする形で、生涯にわたって「探究」を深める「未来の担い手」として必要な力を、1年生から3年生まで系統的に育成しております。
 「課題探究学習」と「授業改善」を柱とする本校の教育は、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力、さらに学びに向かう力や人間性も含めしっかりと評価していこうという「高大接続改革」に対しても、必ずプラスになると確信しております。
 2点目の学校の受け入れ体制ですが、高校では単位制を導入しており、1年生のときから数学・英語等で、例えば2クラスを3つに分け、速修・発展、標準という進度別の編成をしながら、じっくり学びたい生徒、早く進みたい生徒など多様な適性に対応したきめ細かい少人数指導を行っております。
 募集人員が約160人と他の普通科高校と比べ少なく、また、岡山操山中学校出身の生徒とうまく融合しながらやっていけるのか、という不安等を中学生の皆さんや先生方もお持ちかもしれません。私は生徒の間にある「多様性」を大切にする自由な校風と、生徒の個性や能力を最大限伸ばす教職員の力が操山の魅力だと考えております。
 是非、今日の説明を参考にしていただき、中学生・保護者の皆さんに、岡山操山高校への受験について背中を押していただけるとありがたいです。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

岡山操山高等学校創立120周年記念式典 校長式辞

爽やかな秋の訪れを感じる今日の佳き日、衆議院議員・山下貴司様をはじめ多数の御来賓の皆様の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山高等学校創立百二十周年記念式典をかくも盛大に、かつ厳粛に挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びであり、感激に堪えないところであります。  

激動の近現代にあって、明治、大正、昭和、平成、そして令和と、本校が百二十年という長きにわたり歴史を刻むことができましたのは、岡山県、岡山県議会、岡山県教育委員会並びに本校同窓会をはじめ保護者や地域の皆様方のお支えがあったからこそと、心から感謝いたします。  

岡山操山高等学校は、明治三十三年開校の「岡山県高等女学校」と大正十年開校の「岡山県第二岡山中学校」を母体としています。

岡山県高等女学校の開校に当たっては、「女性の理想像を目指し、平和を維持していくにふさわしい人材を育てる」という高邁な理想を掲げ、その後の大正デモクラシーの流れの中にあって、何事も自力で問題を解決しようという自律的「女学校」への体質改善を目指しました。

第七代・和気昌郎校長は、「理想は高く心は明るく」をモットーに、知・徳・体の一体化、すなわち全人教育を推進し、第八代・妹尾盛親校長は、女性の学問・研究への道を拓くべく、当時の高等女学校としては異例の卒業論文を生徒に課すようになりました。  

本校のもう一つの前身である岡山県第二岡山中学校は、第一次世界大戦後の進学率の上昇という時代的背景を受け、初代・武居魁助校長の下、「新しい世の中の中心になって活躍する国民を育てる」という理念の下に開校しました。生徒たちは、自学自習の自覚にあふれ、真理の探求や人格の完成を目指し、勉学、部活動、学校行事等に全身全霊を打ち込みました。

このような歴史を有する一女と二中が、昭和二十三年の学制改革による新制高等学校への移行を経て、翌昭和二十四年八月三十一日に統合され、岡山県立岡山操山高等学校が誕生しました。  

岡山操山高校の初代校長・尾野作次郎先生は、校誌『操山』に寄せ、次のように述べています。  「操山高校草創の精神が松柏の精神であります。霜気凛烈の中に尚緑の色変ぬ松柏は節操の象徴であります。操山の操がこの節操に通ずるのも亦奇しきゆかりであります。この精神を堅持して学びの道にいそしむのが操山生徒の本領です。」  

戦後の様々な困難の克服に当たり、本校は、「節操」を重んじる「松柏」の精神に加え、一女の伝統である「和して流れず」、二中の伝統である「強く、正しく」といった人間教育を受け継ぎ、知・徳・体のバランスのとれた教育を基軸とする教育方針が形づくられていきました。この本校教育の伝統は今日も堅持されており、四万九千名を超える卒業生は、国内外を問わず、政治、経済、科学、文化、スポーツなどあらゆる分野にわたって活躍をしています。  

平成十一年から岡山市内普通科五校の総合選抜制が廃止され、平成十四年度には岡山操山中学校が開校し、県立初の併設型中高一貫教育校となりました。また、平成十七年度からは高校の教育課程を単位制に改編するなど、学校の特色づくりにも積極的に取り組んできました。  

平成二十七年度には文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール」の指定を受け、「『和して流れず』の精神で岡山と日本の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成」に取り組んでいます。  

このように、岡山操山高校は、創立以来、高い志とたくましい精神を持ち、社会を牽引するリーダーを育てることを使命としながら、常に先進的な教育を進めてきました。  

前例が通用しないと言われるこれからの時代は、経済社会のグローバル化に伴う自国第一主義の台頭や地域間格差の拡大、地球温暖化をはじめとする気候変動などが歯止めなく進行するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた人間同士の連帯が新たな価値を生み、デジタル革命と多様な価値観の融合により、Society5.0へとつながる大きな歴史的転換を迎えることが予想されています。  

人工知能がいかに進化しようとも、「どのような未来を創っていくのか」という実現すべき「目的」を作り出すことができるのは、人間の叡智だけです。常に正しい「問い」を立て、自ら学び続ける自立的な人間を育てること、そして、予測できない変化に主体的に向き合い、自らの可能性を最大限に発揮しながら、よりよい社会の創り手となる真のリーダーを育てることが、まさに本校の変わらぬ使命であり精神です。  

これからも本校は、「操山ファミリー」という固い絆で結ばれた学友が互いに助け合い、競い合いながら、あせらずじっくりと心身共に成長する良き伝統を守りつつ、人類、社会の進歩・発展に貢献する多くの若者を育ててまいります。  

最後になりましたが、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様並びに同窓会、PTAの皆様方に今後も変わらぬ御指導・御支援をお願い申し上げまして、式辞といたします。

令和元年十月九日

岡山県立岡山操山高等学校

校長 近藤 治