岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
086-272-1241
086-272-1721
〒703-8573
岡山県岡山市中区浜412番地
文字サイズ

3学期終業式 校長式辞

2018年03月23日

3学期終業式・修了式式辞

H30.3.20(火)

 皆さん、こんにちは。
 平成29年度も今日で終わります。

 今年度、皆さんは日々の学習、学校行事、部活動などに全力で取り組み、それぞれ大きな成果を上げてくれました。また、一人の人間としても、学年やクラスなど集団としてもたくましく成長してくれたことを嬉しく思っています。昨日、南オーストラリア州アデレードでの海外研修から無事帰国した高校生の皆さんも、大変お疲れ様でした。帰国報告会を楽しみにしています。
 4月からは後輩たちが入学してきます。中学1年生、高校1年生の皆さんは、後輩たちの模範として、そして中心学年として、ますます活躍してくれることを期待しています。
中学2年生、高校2年生の皆さんは、3年生が卒業した現在、押しも押されもしない本校の顔でありリーダーです。3年間の総仕上げの学年になることを見据え、限られた時間を有効に活用してください。
 
 さて、平成29年度の終わりに当たり、そして新しい年度を間近に控えた今、中・高の操山生の皆さんに一つだけ言葉を贈ります。それは、少し重い言葉かもしれませんが、「覚悟」という言葉です。これは、私がいつも心の一番奥にしまっている言葉です。

 この前の土曜日から日曜日にかけて国立吉備青少年自然の家で行われた中・高「生徒会リーダー研修会」での初日の基調講演に参加してきました。講演をしていただいたのは、生徒会執行部の皆さんが直接依頼に行き快諾していただいた元三井物産(株)の原田康晃さんです。原田さんは三井物産入社後、アイルランドやインドネシアなどでの海外勤務や関連会社の社長などを経験された元商社マンで、この4月から岡山県の公立高校の校長として勤務される方です。基調講演では、御自身の長年にわたる商社での経験を基に、 「リーダーシップ」についてお話をいただきました。
 リーダー研修会に参加してくれた中・高の生徒だけでなく、ここにいる全ての操山生の皆さんは、将来、様々な場所でリーダーシップを発揮する立場になると思いますが、リーダーシップの根底には「覚悟」が必要だということを、原田さんの講演や送り迎えの車の中での会話から改めて感じました。

 リーダーとは、組織全体の利益を最大化するために、人材を含む様々な資源を動かす力を持っている人のことであり、常に冷静な状況判断と覚悟を持って決断する必要があります。判断が間違っていたら当然、リーダーは責任を取る。これが権力と責任の関係です。
 人を動かすためには、実は人の「心」を動かす必要があります。人の「心」を動かすには、自分の真意や判断の根拠などを相手に明確にかつ分かりやすく伝えるための言語表現能力、コミュニケーション能力が必要です。相手から「共感」を引き出す高い国語力は、文系・理系に関係なくリーダーには必須の条件です。
ただ、それらの能力はあくまでツールであり、当然のことですが、相手に伝えたい内容、中身が問われます。自分が「本当に伝えたいこと」しか、相手には伝わらないのです。自分が本当にやりたいことを言葉にしてみんなに伝え、それを「組織全体の言葉」にまで高め、それぞれの人の心に「やる気」という名の火をつけることがリーダーシップ、リーダーの力だと、私は思っています。そのためには、相当の「覚悟」が必要です。なぜなら、フォロワーはリーダーの「覚悟」を見ているからです。

 「自分が本当にやりたいこと、伝えたいこと」が大切なのは、皆さんの日々の学びも同じです。高校卒業後、大学で何をやりたいのか、大学で学んだことを社会でどう生かしていきたいのかという、自分自身のミッション(使命感)やビジョン(目指す姿)、そしてバリュー(行動の指針となる価値観)を明確にし、覚悟を決めて学び続けることが、中・高のときにしなければいけない最も大切なことだと私は思っています。なぜなら、これからの大学入試は、学びに向かう力や人間性を含む皆さんの「覚悟」を持った学びの成果を、多面的・総合的に評価するようになるからです。

 志望する大学に進み、「自分が本当にやりたいこと」を実現するための武器を獲得する手段が、日々の授業や総合的な学習の時間「未来航路」です。いろいろな知識を結び付けながらデータを分析し、答えを導き出す力は、一つの教科や科目の勉強だけで得られるものではありません。
 だからこそ、授業への姿勢はアクティブで集中力のあるものでなければいけないと私は思います。「借り物」ではない、自ら獲得した知識や技能を基に、自分の頭で考え、判断し、自分の言葉で表現する力が、これからの大学入試でもグローバル化が進む社会でも求められています。

 大学関係者から、大学入学後の操山生はすごく伸びるということを聞くことがあります。日々の授業や「未来航路」など総合的な学びによって、課題解決能力やリーダーシップ、コミュニケーション能力、社会貢献の意識などが、皆さんの土台にしっかりと根付き、大学での学びの基礎になっているからだと思います。

 これからの時代を作るのはここにいる皆さんです。前例のない時代だからこそ、皆さんの可能性は無限に広がっています。将来のグローバル・リーダーである皆さんが「自分が本当にやりたいこと」とは何かを自問自答しながら、覚悟を持ってこれからも真摯に学び続け、未来をたくましく切り拓いていく力を身に付けていくことを期待しています。
 学ぶことは楽しいことです。そして人生の可能性をどんどん広げてくれます。来年度も、どきどきわくわくしながら素敵な時間を一緒に過ごしましょう。

これで式辞を終わります。