ああ、今日もがんばった
瞼静一
私しかいない
うるさい闇に取り残された
どうせ何も見えないと
きつく瞼を閉じた
どうせ何も聞こえないと
両手で耳を塞いだ
足に小石が当たって
目の裏に映った白が頭を刺して
闇は後ろで影になってて
きっとずっとこうだったんだ
きっといつもこういうものなんだと
涙が出るような影を背負って
目を焦がすような前を見て
ペダルに足を乗せた
あの日の中に飛び込んだときは
きっと傍に誰かがいるんだろう
でもこの瞬間は私だけ
私だけのもの