「十代の恋情なんて所詮は偽物。
思春期のガキが背伸びするための勘違い。」
なんて 口では 言ってみるけれど。
やっぱりリア充にあこがれて、
あこがれてるからちょっかいだして。
あーあ、おれの指にも付いてないかな、赤い糸。
「目を焦がすような前を見て
ペダルに足を乗せた」
腹が立つことも、心細さも全部。
がんばった日の夕焼けが、洗い流してくれる。
自然に、明日もがんばろうって思えるから。
そうやってみんな、生きてくんだ。
おかんの気持ちも「分からなくはない、
いや、やっぱり分からない。分かりたくない」
そしたら弁当で、見事に、仕返しされた。
何やってんだよ、おかん。
子どもっぽいよ、おかん。
だけどおれ、やっぱ、おかんには勝てねえよ。
「とりあえず、最初の『Σ』だけは書くのだが、
そこから全くシャーペンが進まない」
苦手教科は、理屈じゃない。
こんなにも分かりたいのに、手も足もでなくて。
だけど、このままじゃ、嫌だ。
分からん、だけど、分かりたい。
「大人になりたい、と、ずっと思っていた」
だけどクラスは、全然まとまらなくて。
ある日、気づいた。
苦いだけじゃ、ダメなんだって。
大人は大人でも、カフェオレみたいに優しい大人に、
わたしはなりたい。