9月29日(日)10:30より「令和6年度 岡山県立岡山操山高等学校通信制課程 前期卒業証書授与式」を挙行いたしました。
校長式辞
吹く風に秋の気配が感じられる爽やかな今日の佳き日、操友会会長 竹本偉斉勇様をはじめ、卒業生の保護者・御家族の皆様の御臨席をいただき、「令和六年度 岡山県立岡山操山高等学校通信制課程 前期卒業証書授与式」を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員、在校生にとりましても大きな喜びであります。御出席いただきました皆様に厚くお礼申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました十七名の卒業生の皆さん、御卒業、誠におめでとうございます。絶えざる努力によって本校所定の課程を修了し、今日の栄えある日を迎えられた皆さんに、心から敬意を表したいと思います。また、保護者並びに御家族の皆様にも、心からお喜び申し上げます。併せて、本校教育に対する御理解と御協力を賜りましたことに感謝申し上げます。
この卒業は、卒業生の皆さんの努力によるものですが、同時に、皆さんを今日まで励まし、支えてくださった御家族や職場の皆様の御理解と御支援の賜物でもあります。どうか、周囲の方々への感謝の気持ちを忘れないでください。
高等学校卒業という大きな目標を成し遂げられた皆さんに対し、将来の夢や目標を皆さん自身の手で実現していただけるよう、はなむけの言葉を贈ります。
今年度はパリでオリンピック・パラリンピックが開催されました。今回はオリンピック史上初めて、男女の出場枠が同数となった大会でありました。
第1回大会は1896年にギリシアのアテネで開かれましたが、このときは、古代オリンピックにならって男性のみの参加としました。女性に門戸が開かれたのは、第2回のパリ大会で、テニスとゴルフに女子種目が認められました。
本校の先輩である人見絹枝さんは、ちょうど100年前の1924年に岡山高等女学校を卒業し、1928年にオランダのアムステルダムで行われたオリンピックに日本女子選手として初めて出場します。この大会では、陸上競技で女性の参加が認められ、人見さんは八百メートルで銀メダルを獲得、日本女性初のメダルを手にしました。
人見さんはスポーツ分野での女性パイオニアでもあります。全国を回り、女子スポーツの重要性を説き、女子選手の海外遠征のための費用捻出に奔走するなど、後輩のために尽力しました。「何々であるがゆえに」、この場合は「女性であるがゆえに」、望む教育や活動、職業につくことが難しかった時代に、その壁に挑み、本人が困難を乗り越えるだけでなく、後に続く人のために壁を崩してきた人の一人です。
本校の中庭には、人見さんの像があります。この像の台座には、「『努める者は何時か恵まれる。』私は賢明ではないことをよく知っています。しかし愚かなりとも、努力を続ける者が最後の勝利者になることを信ずる者です。」の言葉が刻まれています。
ここ岡山操山高校の通信制で頑張ろうと決意して入学し、そして「あせらず やすまず あきらめず」の合言葉のもと、レポートやスクーリングを根気強く積み重ね、仕事や家庭、そして勉強を両立させてきた皆さんには、この意味を十分理解していただけるのではないでしょうか。
皆さんは人生の途上において様々な出来事に遭遇されるでしょう。どうぞ、あきらめずに地道な努力を続けてください。これからも挑戦と努力によって、皆さんの未来や可能性が拓かれることを大いに期待します。
そして、皆さんの周りには、常に励まし支えてくださる人がいます。さらに多くの人との出会いが皆さんを待っています。その出会い一つ一つを大切にして、支え合う関係をさらに広げ、関わり合いながら心豊かな人生を送ることで、自分の夢や目標を実現してほしいと思います。
結びに、御臨席を賜りました御来賓の皆様、保護者の皆様に改めて感謝申し上げるとともに、これからも卒業生の成長を温かく見守っていただきますことをお願い申し上げ、式辞といたします。
令和六年九月二十九日
岡山県立岡山操山高等学校 校長 藤岡 隆幸