平成30年度前期入学式

4月15日(日)10:00より森西操友会長にご出席いただき「平成30年度 岡山県立岡山操山高等学校 通信制課程 並びに NHK学園高等学校 前期入学式」を挙行しました。本課程には、111名の生徒が入学しました。

*操友会とは、同窓会の名称です。

 校長式辞

 暖かい日差しに本格的な春の到来を覚える今日の佳き日、NHK岡山放送局局長 岩谷可奈子様、操友会会長 もりにし森西 やすのり靖憲様をはじめ、多数の御来賓、保護者・御家族の皆様の御臨席をいただき、『平成三十年度 岡山県立岡山操山高等学校通信制課程 前期入学式』を挙行できますことは誠に大きな喜びであり、皆様に厚く御礼を申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました百十四名の皆さん、御入学おめでとうございます。これから皆さんが学ぶ岡山操山高等学校は、来年度創立百二十周年を迎える歴史と伝統を有する学校です。通信制課程は昭和二十三年に発足し、これまでに四千名以上に上る卒業生を送り出してきました。皆さんは本日をもって、この歴史と伝統のある岡山操山高等学校通信制課程の一員となられました。
通信制課程での学習は、日々レポートに励み、日曜日にはスクーリングを受け、単位を積み重ねて卒業するというもので、何よりも自分の責任に基づいた主体的・積極的な選択と実行が求められます。先生方は、いつも親身になって相談に乗り、助言をくださいますが、基本的には皆さん自身が学習計画を組み立て、授業を受けて単位を修得していかなければなりません。そして、卒業後の進路についても、皆さんは、先生方の助言を踏まえ、自分で考え、決めていかなければなりません。
今日から気持ちを新たに、自分の将来の生き方や在り方について考え、判断しながら、学校生活を、そして自分の人生を創り上げていかれることを期待しています。
そんな皆さんに、ある新聞のコラムに載っていた、私が尊敬している京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんの言葉を紹介します。それは、山中さんが二十五年ほど前、アメリカのグラッドストーン研究所に留学していたときに、当時の所長から言われた次のような言葉です。
「研究者として成功するための秘訣はVWだ。」
Vとはビジョン、Wとはワークハードを意味します。つまり研究者として成功する秘訣は、ビジョン・アンド・ワークハード「目標を持って懸命に仕事する」ということで、この言葉は、今も山中さんの人生のモットーとなっているそうです。
山中さんのビジョン(目標)は、御自身が臨床医のときに難病で苦しむ多くの患者さんに対し何もできなかった無力感から、研究者に転じ、iPS細胞に関する研究を通して新薬や治療法の開発に取り組み、将来たくさんの患者さんの治療に貢献したいというものです。
山中さんと同じように、皆さんにも、高校を卒業するという素晴らしい目標があります。ただ、卒業した後、皆さんが自立した人間としてどう生きていくのか、自分の将来の夢は何か、未来の自分はどうありたいのか。本校で学ぶ間、自分自身としっかりと向き合い、御家族の方や先生方、そして本校で出会った友達や職場の皆さんとも相談しながら、自分の将来のビジョンについて具体的に考え、自分自身の言葉にしてノートに書いてみてください。そして、その実現に向けて、自分の可能性を信じて、こつこつと努力を続けてください。そうすることで、あなたの未来は大きく変わってくると思います。
山中さんは、iPS細胞の臨床応用まではまだまだ長い道のりで、たくさんの困難が待ち受けていることを承知の上で、「iPS細胞を使った治療を患者さんに届けると」いうビジョンを成し遂げるために、これからもハードワークを続けていきたいと述べられていました。
何事も、一足飛びの成功はありえません。毎日、少しずつ前進していけば、いつか成果を収めることができます。
「あせらず やすまず あきらめず」という本校通信制のモットーを胸に、この学校に通う仲間たちと一緒に、少しずつ前進してください。そうすれば、やがて卒業の日を迎えた時、皆さんは卒業証書と共に、大きな達成感と自信を得ることができるでしょう。そして、その達成感と自信は、皆さんが夢の実現に向けて次のステージに踏み出す時の大きな力になります。皆さんの頑張りを心から期待しています。
保護者及び御家族の皆様にも、御入学のお祝いを申し上げます。
本日入学された生徒の皆さんが、本校での学業を続けるためには、何よりも生徒本人の自覚と努力が必要であることは当然ですが、同時に、保護者や御家族の皆様の御理解と御協力も必要不可欠です。生徒の皆さんを時に励まし、時に慰めながら、常に温かく見守り、支えてくださいますようにお願いいたします。私たち教職員も、力を合わせて生徒の皆さんの学びを支援したいと思いますので、本校の教育に御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
終わりになりましたが、本日お忙しい中、御臨席を賜りました来賓の皆様及び保護者・御家族の皆様に、改めて心から御礼申し上げ、式辞といたします。

平成三十年四月十五日    
岡山県立岡山操山高等学校 
校長 近藤 治