岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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令和元年度 2学期終業式 校長式辞

2019年12月26日

  (R1.12.24(火)11:25~)


皆さん、こんにちは。今日で、令和最初の2学期が終わります。残念ながら、中学校3年生の皆さんはインフルエンザの関係でこの場にいませんが、新年1月8日(水)の3学期始業式では、全員の元気な顔を見たいと思います。
 記念すべき令和元年も、あと1週間で終わりますが、今年も、中学生・高校生共に学校内外の様々な場面で、大いに活躍してくれました。特に今年は本校創立120周年ということで、記念松柏祭や記念式典をはじめ、多くの関連行事に積極的に参加し、本校の素晴らしさを広く県内外に発信してくれました。今は実感がわかないかもしれませんが、自分が現役のときに母校の120周年を迎えたことは、皆さんの一生の思い出になると思います。
 
さて、今日の式辞では、2つお話をします。1つめは、「大学入試」について、2つめは「大学とはどんなところか」についてです。

 1つめの「大学入試」については、来年度の大学入学共通テストの記述式問題導入や、英語の4技能を測る民間の英語資格・検定試験の成績提供システム導入が延期となり、不安な思いの生徒もいると思います。
 ただ、今回の大学入試改革は、皆さんが未来を切り拓くために必要な資質・能力の育成を目指し、高校教育改革と大学教育改革の一環として取り組んでいるものであり、中・高の教育を通して論理的な思考力や表現力を育て、それらの力を大学入試で評価するという方向性はこれからも変わりません。
 来年度の記述式問題導入は見送りとなりましたが、各大学の個別選抜では記述式問題の活用に積極的に取り組むよう、文部科学省が各大学に要請しています。
 英語についても、リーディングやリスニングだけでなく、スピーキングやライティングを含む4技能をバランスよく育む大切さは変わりません。
 日々の学習の積み重ねが、大学入試につながっています。毎日の授業こそが受験勉強です。学力とは、先生から与えられるものではなく、時間をかけて自らつかみ取るものです。大学は、そうやって自ら獲得した「分厚い学力」を持った生徒を求めています。

 
では、2つめの、「大学」とはどんなところでしょうか。
 結論から言うと、それは、人間や社会、自然に関する真理を探究する場であるとともに、社会や世界を良い方向に動かしていける原動力となる人間を育てる場です。OECD(経済協力開発機構)は、自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく力を「エージェンシー」という言葉で表現しています。岡山操山120年の歴史で変わらないこと。それは、より良い社会の実現に向け、努力を惜しまない人間、つまりOECDの言う「エージェンシー」を自ら磨き続ける人間を世に送り出すことです。
 目先の金儲けだけを目的にしている企業は持続しません。みんなが心身共に健康で、幸せに生活していけるよう、そして地球環境に配慮し、持続可能な社会の実現という理念を掲げ、常に技術革新を行い、時代の変化に対応した商品開発を続けている企業が生き残り、発展していきます。
 SGH校である岡山操山での「未来航路」を含む全ての学びや活動は、皆さんが進学した大学での、豊かで持続可能な「未来」を作るための学問の基礎となります。
 また、社会を変革するためには、まず、自己(自分自身)を変革しなければいけません。
 自己変革とは、他者との違いを受け止め、「自分の良さ」を理解した上で、より素敵な新しい自分になるために自分自身を自ら突き動かすことです。
 皆さんの中には、理想と現実とのギャップ、友人や家族との関係、経済的な心配、心身の不調など、いろいろな要因で苦しんでいる人がいるかもしれません。いえ、たぶんここにいる皆さんは、何らかの苦しみや悩みを抱えながら生きていると思います。
 でも私は、4年間、皆さんの良さや素晴らしさ、内に秘めた無限の可能性を見てきました。皆さんは一人一人、素晴らしい良さを持っています。
 是非、苦しみや悩み、失敗への恐怖から逃げないで、全てを受け入れた上で、「自分の良さ」を認め、前に向かって踏み出してください。私は、今まで、悔しさや劣等感、ダメな自分など全てを受け入れ、それらを燃やして前に行くエネルギーにしてきました。
 教育を通して、より良い社会を作る多くの若者を育てることが、私の「エージェンシー」です。これからもその思いは変わりません。
 操山生の皆さん。是非、今までたくさんの苦しさを乗り越えてきた自分の力を信じ、最後まであきらめないでベストを尽くしてください。皆さんは、必ず多くの人たちを、そして社会を、世界を照らす光となります。
 この冬休みを利用して、もう一度、自分自身を見つめ、「大学で何を学ぶか」「これからどう生きていくか」、自分と向き合ってみてください。
 では、皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。3学期の始業式で元気にお会いしましょう。   
 以上で式辞を終わります。