平成31年度岡山県立岡山操山高等学校通信制課程並びにNHK学園高等学校入学式

 4月14日(日)10:00より「平成31年度岡山県立岡山操山高等学校通信制課程並びにNHK学園高等学校の入学式」を挙行しました。

 校長式辞

 暖かい日差しに本格的な春の到来を覚える今日の佳き日、NHK岡山放送局局長 岩谷可奈子様、操友会会長 森西靖憲様をはじめ、多数の御来賓、保護者・御家族の皆様の御臨席をいただき、『平成三十一年度 岡山県立岡山操山高等学校通信制課程 前期入学式』を挙行できますことは誠に大きな喜びであり、皆様に厚く御礼を申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました百五十六名の皆さん、御入学おめでとうございます。これから皆さんが学ぶ岡山操山高等学校は、今年度創立百二十周年を迎える歴史と伝統を有する学校です。通信制課程は昭和二十三年に発足し、これまでに四千名以上に上る卒業生を送り出してきました。皆さんは本日をもって、この歴史と伝統ある岡山操山高等学校通信制課程の一員となられました。
 通信制課程での学習は、日々レポートに励み、日曜日にはスクーリングを受け、単位を積み重ねて卒業するというもので、何よりも自分の責任に基づいた主体的な選択と実行が求められます。先生方は、いつも親身になって相談に乗り、助言をくださいますが、基本的には皆さん自身が学習計画を組み立て、授業を受けて単位を修得していかなければなりません。そして、卒業後の進路についても、皆さんは、先生方の助言を踏まえ、自分で考え、決めていかなければなりません。
 今日から気持ちを新たに、自分の将来の生き方や在り方について考え、判断しながら、学校生活を、そして自分の人生を創り上げていかれることを期待しています。
 そんな皆さんに、私が大切にしている言葉を贈ります。それは「過去は変えられないが、未来は変えることはできる。」という言葉です。
 皆さんが本校への入学を選ばれた経緯は様々だと思います。自分の夢や目標を実現する近道として本校を選ばれた人も、また、過去のつらい経験を抱いたまま入学された人もいるかもしれません。
 三年前にノーベル文学賞を受賞したアメリカのミュージシャン、ボブ・ディランは、「何もかも失われた時にも、未来だけはまだ残っている。」という言葉を残しています。
 私は変えられない「過去」と変えることのできる「未来」をつなぐ「今」こそが、とても大切だと思っています。その「今」をどう生きるか。私は、未来を切り拓くための「今」を生きるために、次の二つのことが大切だと考えています。
 一つ目は、自分を大切な存在、価値のある人間だと思うことです。今の自分を肯定し信じることで、前向きに生きようとする勇気が出てきます。今は苦しくても、「この苦しい体験があったからこそ、そして自分を信じ勇気を出して乗り越えてきたからこそ、この幸せが得られた」と言える日が必ずきます。どうか、自分を大切にして、本校での学習を続けてください。
 二つ目は、「してもらう人間」から「自らする人間」へと自分を変えることです。十年後、二十年後の自分はこうありたいと思ったら、今何をしなければいけないかを自分で考えて、自ら前に進んでほしいと思います。最後まであきらめない強い気持ちを持って、本校で自分の夢や目標を追い続けてください。
 何事も、一足飛びの成功はありえません。勉強の成果がなかなか出なくても、「あせらず やすまず あきらめず」という本校通信制のモットーを胸に、レポートやスクーリングに粘り強く取り組めば、いつか成果を収めることができます。その努力の積み重ねが、皆さんの未来へとつながっています。
 そして、やがて卒業の日を迎えた時、皆さんは卒業証書と共に、大きな達成感と自立に向けた自信を得ることができるでしょう。そして、その達成感と自信は、皆さんが夢の実現に向けて、次のステージに踏み出す時の大きな力になります。皆さんの頑張りを、心から期待しています。
 保護者及び御家族の皆様にも、御入学のお祝いを申し上げます。
 本日入学された生徒の皆さんが、本校での学業を続けるためには、何よりも生徒本人の自覚と努力が必要であることは当然ですが、同時に、保護者や御家族の皆様の御理解と御協力も必要不可欠です。生徒の皆さんを時に励まし、時に慰めながら、常に温かく見守り、支えてくださいますようにお願いいたします。私たち教職員も、力を合わせて生徒の皆さんの学びを支援したいと思いますので、本校の教育に御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
終わりになりましたが、本日お忙しい中、御臨席を賜りました来賓の皆様及び保護者・御家族の皆様に、改めて心から御礼申し上げ、式辞といたします。

  平成三十一年四月十四日
    岡山県立岡山操山高等学校
      校長 近藤 治