令和元年度後期入学式

 10月6日(日)、「令和元年度 岡山県立岡山操山高等学校 通信制課程 後期入学式」を挙行いたしました。今期は、56名の生徒が入学しました。

 
校長式辞

風に揺れるコスモスの花に、爽やかな秋の訪れを感じる今日の佳き日、操友会会長 森西(もりにし)靖憲(やすのり)様をはじめ、保護者・御家族の皆様の御臨席をいただき、『令和元年度 岡山県立岡山操山高等学校通信制課程 後期入学式』を挙行できますことは誠に大きな喜びであり、皆様に厚く御礼を申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました五六名の皆さん、御入学おめでとうございます。これから皆さんが学ぶ岡山操山高等学校は、今年百二十周年を迎える歴史と伝統を有する学校です。通信制課程は昭和二十三年に発足し、これまでに四千名以上に上る卒業生を送り出してきました。皆さんは本日をもって、この歴史と伝統のある岡山操山高等学校通信制課程の一員となられました。
さて、通信制課程での学習は、日々レポートに励み、日曜日にはスクーリングを受け、単位を積み重ねて卒業するというもので、何よりも自分の責任に基づいた主体的・積極的な選択と実行が求められます。もちろん、先生方は、いつも親身になって相談に乗り、助言をくださいます。しかし、本校では、基本的に皆さんが自分で考えて学習計画を組み立て、自分の責任において授業を受けて単位を修得していかなければなりません。そして、卒業後の進路についても、皆さんは、先生方の助言を踏まえ、自分で考え、決めていかなければなりません。
今日から気持ちを新たに、自分の将来の生き方や在り方について考え、判断しながら、学校生活を、そして自分の人生を創り上げていかれることを期待しています。
そんな新入生の皆さんに、私がこの夏に出会った素敵な言葉を贈ります。それは「SEKAI NO OWARI(世界の終わり)」の「プレゼント」という曲の中の次の言葉です。
「いま君のいる世界が辛くて泣きそうでも、それさえも『プレゼント』だったと笑える日が必ず来る。」
「SEKAI NO OWARI」のメンバーである藤崎彩織(ふじさきさおり)さんの小説「ふたご」を読んだ人はいますか。初めて書いたこの作品が昨年1月に直木賞にノミネートされ、若者を中心によく読まれています。私もこの夏に読みました。
まるで世界が終わったような何もないどん底から音楽を始めたときの思いが「SEKAI NO OWARI」というバンド名に込められています。藤崎さんが作詞したこの「プレゼント」という曲には、「ひとりぼっちにさせないから、大丈夫だよ。その言葉返せるように、強くなりたい。」という歌詞もあります。
本校通信制課程は、いろいろな経験を通り抜けてきた仲間が、それぞれの夢を持ちながら共に学び、語り合いながら、励まし支え合い、努力し合って、みんなで夢をつかみ取る。そのための開かれた「学びの場」です。どうか、この学校に通う仲間たちと一緒に、それぞれの夢の実現に向けて、新しい人生の第一歩を踏み出してください。そして、一生懸命に努力を続ける自分に自信と誇りを持ち、堂々と本校で学び続け、辛かった日々が「プレゼント」だったと言える日が皆さんに訪れることを期待しています。
保護者および御家族の皆様にも、御入学のお祝いを申し上げます。
本日入学された生徒の皆さんが、本校での学業を続けるためには、何よりも生徒本人の自覚と努力が必要であることは当然ですが、同時に、保護者や御家族の皆様の御理解と御協力も必要不可欠です。生徒の皆さんを時に励まし、時に慰めながら、常に温かく見守り、支えてくださいますようにお願いいたします。私たち教職員も、力を合わせて生徒の皆さんの学びを支援したいと思いますので、本校の教育に御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
終わりになりましたが、本日お忙しい中、御臨席を賜りました御来賓並びに保護者・御家族の皆様に、改めてお礼申し上げ、式辞といたします。

令和元年十月六日
岡山県立岡山操山高等学校
校長 近藤 治