岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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形質転換 その1

目  的

大腸菌にオワンクラゲの遺伝子を導入し,蛍光発光させる。

準  備

 

材 料 BIO-RAD「Biotechnology Explorerキッド」
器 具   ウオーターバス(42℃)・インキュベーター(37℃)・油性ペン
・ピペット・植付け用ループ・緑と青のチューブ・チューブ立て(キッドに同包)
薬 品 ・大腸菌スタータープレート(LB) 1枚・pGLOプラスミド溶液 1本
・寒天培地(LB×1 LB/amp×2 LB/amp/ara×1) 計4枚・形質転換用溶液(Bu) 1本
・LB培地(液体) 1本

実験材料

材料は,氷冷しておきます。

寒天培地

次の4枚をあらかじめ用意しておきます。

(A) +DNA LB/amp (B) +DNA LB?amp?ara
(C) -DNA LB/amp (D) -DNA LB

実験器具(1)

マーカー以外はキッドに同包されたものを使用します。

実験器具(2)

遺伝子組み換えの基本

  1. 導入したい遺伝子を制限酵素の作用を使って切り出す。
  2. プラスミドを1と同じ制限酵素で切り出す。
  3. 導入したい遺伝子とプラスミドをリカーゼの作用を使って結合させる。
  4. プラスミドを目的の生物の細胞に取り込ませる。
  5. 遺伝子を組み換えた細胞を培養して目的物質を生産させる。

遺伝子組み換えの原理

イラストで説明してます。 原理1原理2  (クリックしてください,別画面で開きます。)

実験手順

1.緑チューブのフタに「+DNA」,青チューブのフタに「-DNA」と記入する。

ここでのDNAはプラスミドのことです。

2.緑と青チューブに形質転換溶液(Bu)を250μℓずつ加え,冷却する(両方同じピペットを使用できる)。

両方同じピペットを使用する。

3.形質転換される大腸菌を緑と青チューブに溶解させ,冷却する。

大腸菌スタータープレート(LB)のコロニーを植付け用ループですくい取り,緑チューブに溶かし入れる。青いチューブも同様に行う。

大腸菌を溶かし入れたら,液層に触らないこと。
温めないようにする。

4.pGLOプラスミド溶液を緑(+)チューブのみに加える。

新しい植付け用ループをpGLOプラスミド溶液に浸し,○部分に膜が張っていることを確認して,緑チューブに浸し,攪拌する。

pGLOプラスミドは,オワンクラゲの蛍光発色遺伝子を導入させるベクター。

5.緑と青チューブを10分間冷水につける。

6.寒天培地4枚のフタに次のサンプル名を記入する。

それぞれにA+ B+ C- D-と記入する。

7.ヒートショック:冷却による遺伝子の導入

緑・青チューブをチューブ立てに立て,ウオーターバス(42℃)に,50秒浸ける。
50秒後すぐに,氷に戻し2分間冷やす。温度変化により,DNAを閉じ込める。

DNAの細胞膜を通り抜ける割合を増加させている。

8.氷中から緑・青チューブを取り出し,LB培地(液体)をそれぞれ250μLずつ加える。

緑・青チューブの中身は全く異なるものになっている。
LB培地を加えるときは別々のピペットを使用する。

ヒートショックで弱った大腸菌に栄養を与える。

9.10分間室温で放置する。

10.形質転換した大腸菌を培地に移し,培養する。

緑・青チューブをタッピングして溶液を混合する。
(大腸菌がチューブ内に沈んでいるため)

各チューブの大腸菌を以下のように各培地に滴下する。

【緑チューブ(+DNA)】
   LB/amp     (A)
LB/amp/ara   (B)
【青チューブ(-DNA)】
   LB     (C)
   LB/amp  (D)

11.滴下した大腸菌の塗布。

新しい植付け用ループを使い大腸菌サンプルを広げます。ループの輪の部分を培地表面と平行に滑らせるように、手早く、プレート表面にできるだけ広い範囲に広げたら、蓋を閉めます。

操作はプレート1枚ずつ行い,新しいプレート毎に,新しいループを使用すること

12.37℃のインキュベーターで1週間培養する。

ラップで包んだ状態で30分程度置いておきます。その間に,培地に大腸菌がなじみます。
プレートは上下逆にして,インキュベーターにいれます。
上下逆にすることで,蓋からの菌や水滴の落下によるコンタミネーションを防ぐことができます。