ウメノキゴケでリトマス試験紙を作る(継続中)
目 的
リトマス試験紙は,地衣類であるリトマスゴケから作られている。同じ地衣類のウメノキゴケからリトマスとよく似た構造をもつ色素を取り出し,リトマス試験紙を作る。
準 備
材 料 | ウメノキゴケ | |
器 具 | 空きビン(100均で購入) ・ガラス棒 ・ろ紙(90φ㎜ №1) | |
薬 品 | 3%アンモニア水 ・3%過酸化水素水(市販のオキシドールでもよい) ・1%水酸化ナトリウム水溶液 ・1~2%酢酸水溶液 |
実験手順
1 染液の調整
- ウメノキゴケをゴミ・樹皮などを取り除き,よく乾燥させ細かく砕く。
- ウメノキゴケ10gを瓶に入れ,アンモニア水200mℓを加えよくかき混ぜた後,3%過酸化水素水5mℓを加え,アンモニアが蒸発しないように蓋をして室温で暗所に置く。今回は薬品庫(室温18度程度)に置いた。
- 1日に2~3回かき混ぜ,約30日程度でアンモニアの臭いが消え,濃厚な赤紫色になる。瓶の中身を布でこして色素液として使用する。
1日経過
10日経過
赤紫色が濃くなってきました。アンモニア臭がしています。
40日経過
まだ少しアンモニア臭がしていますが,液を2倍に薄めてろ紙に浸してみました。
2 リトマス試験をつくる
- 染液を水で適当に薄めろ紙を浸し,室内で吊り下げて乾燥させる。
- ろ紙を1%水酸化ナトリウム水溶液に浸しアルカリ性にした後,自然乾燥させると青色試験紙ができる。
- 青色試験紙を1~2%酢酸水溶液に浸し酸性にした後,自然乾燥させると赤色試験紙ができる。
- 適当なサイズに切り使う。
原液にろ紙をつける
青色試験紙
ウメノキゴケ
日本で広く分布生育している。灰緑色で大気汚染が少なく適度に湿度のあるサクラやウメなどの古木の北面に多く生育している。大気汚染の指標として用いられることがある。
今回使用したウメノキゴケは,校内の古木から採取した。
参考資料
- 地衣類のふしぎ 柏谷博之 サイエンス・アイ新書