花粉の発芽と花粉管の伸長
目 的
花粉とその発芽や花粉管の伸長について観察し,花粉管の伸長の仕組みを理解する。
準 備
材 料 | ムラサキツユクサの花粉・シベリア(ユリ)の花粉と子房片 | |
器 具 | 顕微鏡・検鏡セット・シャーレ・ピンセット・ろ紙・マッチ棒 | |
薬 品 | 粉末寒天・ショ糖・酢酸オルセイン溶液 |
方 法
実験Ⅰ 花粉管核と雄原細胞の観察
- 花粉をスライドガラスに取り,酢酸オルセインで5分間染色した後顕微鏡で検鏡する。
- 花粉管核と雄原細胞を観察する。
実験Ⅱ 花粉管の伸長と原形質流動の観察
- スライドガラスの寒天培地(寒天1.5%・ショ糖濃度8%の培地)に花粉をまく。この時ピンセットで葯をつまみ,直接寒天培地にふれさせるようにまく。
- カバーガラスをかけて5分おき花粉管の伸長を観察する。
- あるてい度花粉管が伸びてきたら,低倍率でピントを合わし,花粉管の原形質流動を観察する。さらに酢酸オルセインで染色し,高倍率でピントを合わし,花粉管内に花粉管核と精細胞を観察する。
*注意点*
- 花粉のまき方は,培地の真ん中あたり横一直線に巻くこと。多く付けすぎたり花粉が塊にならないようにすること。
- 寒天培地は非常にもろいので,傷つけないように気をつけること。
実験Ⅲ 花粉管の伸長の方向性を観察
- スライドガラス上にある寒天培地(ショ糖濃度0%の培地)にシベリアの子房片をのせ、50分静置した後に花粉をまいたものを検鏡セットする。(事前に用意しておく)
ムラサキツユクサの花は朝摘み,シャーレに締められたろ紙を敷いた上の載せ蓋をしておくと午後の実験にも使える。
ユリの花粉管の伸長
酢酸カーミンで染色し,花粉の中に雄原細胞を観察する。
雄原細胞
雄原細胞と花粉管核。
花粉管の発芽に伴い,原形質流動が確認できる。原形質流動の方向は動画で確認できます。
培地に子房片を置き,50分後に花粉を置いた場合(左:子房片)。
培地に子房片を置きすぐに花粉をまいた場合(左:子房片)。
寒天培地
- それぞれの濃度のショ糖・粉寒天をよく溶かし,大型シャーレに薄く流し込む。
- 固まったら,1×1㎝程度にスパーテルで切り出し,スライドガラスに移す。