トビタツ!留学SOZAN
この夏、2人の操山生が2年間の海外留学を終え、現地の学校を「卒業」しました。通っていたのは、UWC(United World College)アメリカ校とイタリア校です。UWCは世界各国から選抜された高校生が集まり、国際バカロレアのカリキュラムに沿って授業が行われる、全寮2年制のインターナショナルスクールです。国内選考を突破した2人は、世界18カ国にあるUWCのうち、アメリカ、イタリアへと派遣されていました。なおこの2年間の授業料や寮費は、経団連の支援を受けるUWC日本協会の奨学金で、全額支援されていました。
イタリアのUWCアドリアティックカレッジへ派遣された眞田薫さんの報告です。「Ciao!Bonjour! 你好! Hola! こんにちは!こんな、80か国から集まった同志とのカオスな生活が、UWC Adriaticでは日常だった。初めてだらけの生活での戸惑う私の心の支えは、友人と食べるジェラートだった。エアコンのない学校で、火照った体を冷やすためアドリア海に飛び込むか、はたまた図書館でテスト勉強をするか、と頭を抱えた夏の日が何度あったことか。ただ、忙しさもそう悪くなく、連日の論文提出に追われながらも、社会情勢や、どうでもいい話をルームメイトと深夜まで話し、眠い目を擦り翌日の授業を受けることに、いつしか充実感を覚えていた。
卒業した今、2年前はお互いの存在すら知らなかった友人のことを想い、イタリアの小さな村・Duinoを第二の故郷と呼ぶ。あのカオスな日常が、世界と私の距離を縮めたのではないかと考えながら、今日も私は、次にイタリアで世界中の友人とジェラートを食べる日を夢見ている。」
現地に行ってこそ体験できることがあります。アメリカ、ニューメキシコ州のUWC-USAに派遣された湯浅心さんの報告です。
「UWCアメリカ校と言えばやはり広大な自然。時々そんな自然に振り回されて停電や断水に見舞われることもありましたが、それ以上にその雄大さに感謝することも多かったです。キャンパスの裏には川が通っており、そのすぐそばには温泉も湧いていました。授業が早く終わった日には、川で涼んだあと、足湯しながら政治問題や課題、映画など様々な話をするのも日常です。温泉では地元の人も訪れることができるため、一緒に温泉にいるうちに地元についても詳しくなっていくこともありました。
アメリカへ留学してから始めたことの一つとして、クライミングがあります。屋内でのクライミングだけでなく、ニューメキシコという立地を活かしたロッククライミングにも挑戦できる環境でした。たった2年という短い間であっても、安全確保のためのビレイヤーとしての技術も学べました。体格やスキルに関わらず、それぞれがより高難度のルートに挑戦する向上心、また登りきった友人に対する称賛など、とてもポジティブな環境で新しい挑戦が出来たことはとてもいい経験となりました。」
2人は今後、国際バカロレアの資格で、国内外の大学へ進学します。これからも世界のどこかですれ違った日本人が、実は操山生だったりするかもしれませんね。