岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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プレイバック操山part2

2026年03月10日

 操山高校の校誌「操山」から振り返るこの1年。4月、入学したばかりの新入生、当時の出会いはどうだったのでしょうか?

「寒さと温かさ

 見回した教室に見知った顔は一つもなかった。初対面の相手に何と声を掛けたらいいのか分からなかった。だから初日はお弁当も一人で食べていた。自分が思い描いていた希望あふれる高校生活があっさり打ち砕かれたかのようで、私は憂鬱な気持ちを抱えながら毎朝行きの電車に揺られていた。そんな最悪の高校生活のスタートだっただけに、今回の宿泊研修に対する私の熱意は低く、前日の夜遅くになってやっと惰性で必要なものをリュックに詰め込んだほどだった。

 そんな中迎えた宿泊研修1日目の夜。4月ではあるが山の夜はダウンを羽織っていても寒かった。思わずこぼれ出た『寒い』という言葉に共感して微笑んでくれる友達がいた。いたずらっぽく寄りかかるようにして温めてくれる友達がいた。私はなんとなく俵万智さんの「寒いねと話しかければ寒いねと答えてくれる人のいるあたたかさ」というあの短歌を思い出した。それまでの私は、初対面のクラスの人との他愛のない話に、どこか寂しさや味気なさを感じていたのかもしれない。だけどその他愛のない話こそがどれだけ温かくて、その小さな共感がどれだけ私にとって必要なものだったのか、その時唐突に気付かされた。

 表面的な会話を寂しく感じていたのは、裏を返せば、私がその人のことをもっと深く知りたかったからに他ならない。オリエンテーリングや野外炊事といった大きなイベントではないけれど、あの一瞬のじんわりとした心の暖かさは鮮明に覚えている。風に揺れるキャンプファイヤーの炎。けれどその中心には軸があるかのように、そこだけは揺れずに燃えはぜていた。」

 他愛のない話に心の暖かさを見つけられる機会が新入生研修です。形を変えながらも、また4月に新たな出会いが生まれます。