岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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平成29年度3学期始業式 式辞

2018年01月10日

平成29年度 三学期始業式 式辞                                H30.1.9(火)
 
 皆さん、明けましておめでとうございます。
  新年早々、中学校・高校の生徒の皆さんの元気な顔を見ることができて、とても嬉しいです。

 高校3年生の皆さんは、4日後にセンター試験を迎えます。前の日に、放送で「激励の言葉」を述べさせていただく機会があるようですので、そのとき、改めてエールを送りたいと思います。
 中学生の皆さんや高校1・2年生の皆さんにとっても、3学期は1年間の活動の総仕上げの時期です。学習や部活動、生徒会活動に、そして「未来航路」のまとめに、全力で頑張ってください。

 3学期の始まりに当たり、そして6学年全ての皆さんが揃う今年度最後の式典で、一つだけ皆さんにお伝えしたいことがあります。それは、「人はなぜ学ぶのか」ということです。
 昨年4月の1学期の始業式で「学ぶ目的」について「世のため人のために尽くすため」だというお話をしましたが、私はそれに加え、「自由になるため」だと考えています。その「自由」とは、今までの自分から「自由」になることと、将来なりたい自分になるための「自由」を得るという二重の意味を持っていると、私は思っています。
 近代の始まりを告げるルネサンス期以降、人は自由に自分の才能を発揮できるようになりました。例えば、「万能の天才」と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼はフィレンツェにいた30歳までは、ある有名な工房に所属するどこにでもいる腕利き職人でした。少年時代の彼はとても貧しく、十分な教育を受けられなかったと言われています。
 彼が残した蔵書リストには、商人の子供たちが習うそろばんの教科書や初級ラテン語の文法書も数冊含まれています。機械工学や解剖学など科学的知識を広げる上での基礎・基本が欠けているのを自ら自覚し、大人になって必死に補おうとしていたという説もあります。
 彼は30歳を過ぎてミラノの宮廷に職を得ましたが、有名な「最後の晩餐」を手がけるのはそれから10年以上も後のことであり、「モナリザ」はさら10年近く経った作品だと言われています。
 ダ・ヴィンチは、生涯にわたり自分自身と向き合い、学ぶ努力を続け、こつこつと知識と技能を蓄えたことで、自らの才能を開花させ、人生を切り拓く「自由」を得たのだと私は思っています。

 学ぶことは、新しい自分になるための、そして自分の人生や運命を変える「自由」を得るための「内なる革命」だと思います。学校行事も部活動もSOZAN国際塾も、そして生徒会活動も、「学び」という点では同じです。

 過去と未来をつなぐ「今」そして「ここ」で、精一杯生きること、そして自らどん欲に学ぶことで、新しい自分、より素敵な自分に出会ってください。

  「自由」は誰かから与えられるものではありません。自分の手でつかみ取るものです。
 
 この冬は例年以上の寒さですが、校内には松や柏の木が、緑を残しながら、凛として立っています。120年に及ぶ操山の「松柏の精神」を受け継いできた皆さんの努力の成果が出てくるのは、これからです。あきらめず最後まで挑み続けていれば、必ず道は開けます。中学生・高校生とも、勝利を信じて、みんなで頑張りましょう。これで式辞を終わります