岡山県立岡山操山高等学校

岡山操山中学校 通信制課程
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平成28年度第1学期始業式

2016年04月08日

平成28年4月8日

 

改めまして、皆さん、こんにちは。

20160408始業式
 新しい一年、平成28年度が始まりました。先ほどの岡山操山中学校の入学式では120名の新しい仲間を迎え、次いで、岡山操山高等学校の入学式では280名の新しい仲間が加わりました。皆さんには、新しくできた先輩や後輩、同じクラスとなった仲間やお世話になるたくさんの先生方との出会いを大切にして、今日から、学習や学校行事、そして部活動等に、思う存分に力を発揮することを期待しています。
さて、皆さん御存知のように、岡山操山中学校・高等学校は、昨年度から文部科学省スーパーグローバルハイスクールに指定され、生徒の皆さんが将来、グローバル社会のリーダーとなるために必要な5つの資質・能力を育むことを目的に、教育活動を展開しています。

 この5つの資質・能力とは、「幅広く深い教養」「課題解決能力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「社会貢献の意識」です。
これらの「5つの資質・能力」と岡山操山中学校・高等学校が育成を目指す「グローバル社会のリーダー」とはどう関係があるのでしょうか。
今年度最初の式辞に当たって、私の思いをお伝えしたいと思います。
私は、そのキーワードの一つは「国の発展を支えるもの」は何か、だと考えています。大きくいって、それは、モノの生産と消費に必要な「人口」と、モノを創り出すための「資源」です。
しかし、日本は資源が少ない国です。では人口は?というと、東京一極集中が進む一方、地方ではどんどん人口が減っています。我が国が未だ経験したことのない、かつての成功体験が通用しない「人口減少社会」、超少子・高齢社会が到来しています。モノをたくさん作っても国内で売れなくなります。だから、市場を大きくするために、外に打って出る。海外で生産し、世界規模で市場を獲得するグローバル競争で勝ち抜く必要が出てきます。
 では、海外の状況はどうか。ネット等により、各国の経済が結びつき、相互依存を強める一方、豊かな国と貧しい国の経済格差が広がり、各地で領土をめぐる対立や民族紛争、テロが頻発し、大量の難民が国境を越えるなど、まさに混沌とした状況にあります。
この混沌とした、答えのない社会で、これからどう活躍していくか。だれも与えてくれない答えを自分の力で導き出す、創り出すことが必要となってきます。

 そのために必要なものは何か。
 まず、ぶれない判断力が必要です。人類が長い時間をかけて培ってきた文化や歴史、哲学、科学等を幅広く学び、「人間とは、社会とは何か。われわれはこれからどうあるべきか」等について「根源から考える力」が必要だと思います。幅広く深い教養が、混沌とした社会における判断の指針を与えてくれる、そう思っています。
 そして、人間は一人では何もできません。多様な価値観や文化的背景を持つ
国内外のいろいろな人たちと協力し合い、合意を形成するための(英語など外国語を含む)コミュニケーション能力が必要となります。
 さらに、受け身ではなく、自らみんなに声を掛け、郷土岡山や我が国をリードしていくリーダーシップや、自分たちの知恵と工夫と協力で、自分たちの「社会の秩序」を作り出す主体となっていく意識が必要となります。

 最後に、これが今日の私の結論です。
 日本をこれからも成長・発展させていくためには、何よりも教育が必要です。優秀な人材こそが、我が国の、そして郷土岡山の資源です。我々の未来は皆さんに託されています。
 30年後の自分の姿を想像してみてください。その姿を常に意識しながら、「幅広く深い教養」「課題解決能力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「社会貢献の意識」を身に付けるよう、いろいろな学習に前向きに取り組むことを期待しています。
例えば「未来航路」の時間で、岡山や我が国、さらに世界に目を向けたときに存在する、簡単には答えの見つからない課題を発見し、その課題について、ディベートや課題研究といった手法を使いながら、仲間たちとコミュニケーションしたり、自分でしっかり考えたりして、解決方策を探求する力を、引き続き養ってもらいたいと思います。
 また、教科の学習においても、それぞれの担当の先生方は、皆さんがこれら5つの資質・能力を伸ばすことができるような授業展開を工夫されると思います。先生方の意図をよく理解しながら、積極的に、主体的に学習に取り組んでほしいと思います。さらに、校外での様々な取組にも積極的にチャレンジしてください。

 中学校、高校のときに頑張って学習し身に付けたことは、生涯にわたる基礎力として、必ず、皆さんを支えてくれます。
今年度も、共に頑張りましょう。